HigherFrequency DJ/プロデューサー データベース

ENGLISH DATABASE

Danny Krivit

DANNY KRIVIT - ダニー・クリヴィット -

スタイル : ハウス、ガラージ、ディープ・ハウス
出身地 : アメリカ
関連レーベル : Strut, Ibadan Records, King Street
2005年 DJ Magazine Chart : -
2004年 DJ Magazine Chart : -
2005年 BPM Magazine Chart : 45位
オフィシャル・サイト : なし

triangle

成功したジャズ・シンガーである母親と、かつては伝説的なジャズトランペッターChet Bakerのマネージャーを務め、当時はヴィレッジで"The Ninth Circle"と言う有名な店を経営していた父親の元に生まれ、1960年代のNYグリニッジヴィレッジで育ったDanny Krivitは、小さい頃から父親の店でボーイとして働くなどして、いつも音楽に囲まれた生活を送っていた。その"The Ninth Circle"でDannyは、音楽シーンにおいて影響力を持つ多くの人物に出会うのだが、その中にはJanis JoplinやJimi Hendrix、Charlie Mingus、John LennonとYoko Onoなどの名前が含まれていたと言う。また、彼の家は音楽的なインスピレーションに満ち溢れた場所として知られており、The Mothers of Invention (Frank Zappaとの活動で知られる60年代のアーティスト)が階下のホールに住んでいたり、上の階に住んでいたSid Bernstein (60年代を代表するロックグループThe Rascalsのマネージャー)がKrivit家をしばしば訪れ、彼らの未来のヒット曲をピアノで練習したりしていたといった話が伝えられている。その他にも、同じ学校の親しいクラスメートが、VerveやC.T.I.、KUDAなどのレーベルで活躍した天才プロデーサーCreed Taylorの息子だったり、当時の親友が後に伝説的なソウルミュージックの教祖になるNile Rogersだったりと、まさに音楽的要素に満ち溢れた環境のに囲まれて、Dannyはその若い時代を過ごすことになるのである。

1970年頃には熱狂的なアナログコレクターになっていたDannyは、すでにアマチュアのDJとしての活動も行うようになっていた。そんな1971年のある日、Dannyは当時近所に住んでいたPolydorレコードの副社長から、ある一人のアーティストを紹介される事になる。そのアーティストこそが他でもない、あの伝説のJames Brownであり、彼から"Get On The Good Foot"と Lynn Collinsの"Think"のプロモ盤をプレゼントされたDannyは、やがて当時すでにDiscoとしての営業形態に変えていた"The Ninth Circle"においてDJを開始、本格的にプロとしてのキャリアを踏み出すことになるのである。そしてその後、父親がオープンさせた2軒目のクラブ"Ones"で77年ころまでDJを務めたDannyは、その卓越したプレイ内容で徐々にシーンから注目を浴びる存在へと成長し、次第に多くの有名なDJ達と親交を重ねるようにもなっていく。その中にはThe GalleryのNicky Siano、Galaxy 21のWalter Gibbons、Better DaysのTee Scott、The LimelightのDavid Rodriguez、Club HollywoodのRichie Kaczar、そしてLe JardinのBobby DJなどの名前が含まれていたが、その中でも最も傑出していた存在、それこそが「DJ David Mancuso」と「The Loft」というこの二つの伝説的な名前であった。

音楽文化の中心地であり、DJにとってのメッカであったThe Loftは、Record Pool発祥の地としてもその名を知られるなど、当時としてはユニークな存在であったが、ここでDannyはLarry LevenとFrancois Kevorkian (Francois K)と言う二人のDJとの間の長年に渡る親交をスタートさせている。また、Trude HellersでDJをスタートさせた77年頃には、Dannyは熱心なローラー・スケーターにもなっていたようで、よくParadise GarageでガールフレンドのDaphne Rubin vegaと一緒にスケートをしている姿が目撃されたと伝えられている(Larryが自分がその週にかける新譜をサウンドシステムでチェックしている時に、彼らにクラブの中でローラースケートをさせていたそうである。)そして、その後1987年にクローズするまでの間、The Garageは、Dannyにとってのメインの活動の場として、彼のキャリアに花を添えていく事になるのである。

70年代を通じて、DannyがレジデントDJを務めるパーティーのリストはどんどん増え続け、1979年にThe RoxyのオープニングでDJを務めたDannyは、その後の4年間に渡ってそこでレジデントとして活動をする事になる。そしてThe RoxyがD.S.TやGrand Master Flash、そしてAfrica Bambaataといった当時のベストHip Hop DJの拠点としてその名を知られるようになった80年代の初頭には、Dannyはスクラッチ・ミックスの出来る数少ない白人DJということで、Danny Rockの名前で知られるようになる。

その後80年代を通じて、Dannyは本当に数多くのクラブでプレイを経験し、Area、Dacateria、The Ice Palace、Laces、The Limelite、Red Zone、Save The Robots、ヴァージンアイランドのStudio 54、Tracks、The Tunnel、The World、そして伝説のParadise Garageなどにおいて大きく活躍していく事になる。それと並行する形で、70年代の後半から、BillboardやCash Box、Record World、Dance Music Report等の業界誌においてDannyのプレイリストが掲載されるようになり、またMix TapeもWBLS、WKTU、そしてKISS FMと言ったステーションでオンエアーされるようになる。そしてDannyとって80年代はスタジオワークの幕開けの年でもあり、James Brownの"Soul Power"や"The Funky Drummer"、そして"Give It Up and Turn It Loose"、Ecstasy Passion & Painの"Touch and Go"、Brenda and the Tabulations "Let's Go All The Way"、そしてGloria Gaynorの"Cassanova Brown"などと言った、伝説的アーティストをフィーチャーした数多くの作品に関わっていく事になるのである。

そして90年代に入ると、Dannyは次第にレジェンドとしてのステイタスを得るようになり、父親の"The Ninth Circle"を引き継ぐと共に、Mar、Tracks、The Choice、Palladium、Shelter、Sound Factory Bar, Twilo、The Warehouse、The LoftといったクラブでDJ活動を精力的に行うようになる。そして1996年の初め頃には、DannyはFrancois KとJoe Claussell率いるBody&SOULのチームに一員として加わり、それ以降、NYや日本の多くのクラブにおいて定期的にDJを行う傍らで、Club Vinylで毎週日曜日開催されていたレギュラー・イベントにレジデントDJとして参加するようになる。さらに1999年には、NYのセントラルパークの"Summer Stage"において3回に渡って開催されたBody&SOULのスペシャルイベントに出演し、約15,000人の熱狂的なクラウドを前にDJを行うという快挙を達成する。現在は残念ながらNYでのBody&SOULの定期開催は休止しているが、2002年からは東京で"Body&SOUL Live in Tokyo"が年1回行われ、日本のクラウドにとって欠かせないスペシャルイベントとして絶大な人気を博している。現在のレジデントDJとしてはBrooklynのWater StreetからマンハッタンのクラブDeepに 拠点を移し、毎月日曜日に開催される718 Sessionsを始め、The Shelter、APT、 RoxyといったクラブにゲストDJとして迎えられるなど、精力的に活躍を継続している。

このように、アメリカのみならず日本、そしてヨーロッパにおいて確固たる地位を築き上げてきたDanny Krivit。彼に寄せられる評価の声は、50,000枚を超えると言われるレコードコレクションと同様、これからも確実に増え続けていくのは間違いないだろう。また、彼は60年代から90年代にかけての貴重なソウルのライブ映像を5,000本以上も保有しており、たまにVJとして活動する事もあると言われている。そしてDannyはプロデューサー/リミキサーとしても相変らず引く手あまたの存在であり、大ヒット曲KOT feat. Julie McKnight "Finally"、Mondo Grosso "Star Suite"、AK "Say That You Love Me"、Loleatta Holloway "Runaway"、James Brown "Soul Power"、Frankie Knuckles "Keep On Moving"、EWF "September"、 Incognito "On the Road"、Pal Joey "I Sing"、AK "No One Else"、Soul Central"String Of Life"、RSL "Wesley Music"等の素晴しいリエディットを手がけ、 King St./Nite Groovesの人気シリーズ"Mix the Vibe: Music Is My Sanctuary"、"Grass Roots"(Strut)や"Expantion"(NRK)、Salsoulのクラシックスをミックスした"Salsoul Mix by Danny Krivit"(東芝EMI)等のMix CDをコンパイルしてきた。今年も数々のレコードにその名をプロデューサー・エディター・ミキサーとしてクレジットされるであろうDanny Krivit。DJとしても33年目を迎える2004年。既に伝説的な地位を築いたと言われる存在でありながらも、今後もますます目を離せない存在である事は間違いないだろう。

(このバイオはIbadan Records内にあるDannyのBiographyをHigherFrequencyにてアップデイトした完全版である / H.Nakamura : HigherFrequency)


DANNY KRIVIT : インタビュー

Dany Krivit インタビュー in Tokyo (2004/04/11)

DANNY KRIVIT : パーティーレポート

Body & SOUL Live @ Velfarre, (2005/04/28)
Nuit Liberte feat. Danny Krivit @ AIR (2004/04/09)

DANNY KRIVIT : リリース情報

Danny Krivit / In The House (2005/04/11)

DANNY KRIVIT : 来日イベント情報

Double Trouble 10 feat. Timmy Regisford & Danny Krivit (2005/12/29)
Maestro Soundtrack Mixed by Danny Krivit Release Party @ Yellow (2005/07/23)
Body & Soul Live In Tokyo @ Velfarre (2005/04/28-29)
Danny Krivit 33 1/3 Anniversary King Of New York 06 @ AIR (2004/12/17)
Chieko Kinbara "Paradise" Release Party feat.Danny Krivit @ Yellow (2004/08/21)