先日のニュースでもお伝えした YAMAHA 開発による光と音のインターフェース TENORI-ON をフィーチャーしたアート&エンターテインメント系イベント PRE-VIEW と AFTER-VIEW が、4月24日と27日の2夜に渡って開催される。
日本におけるメディア・アートの第一人者、岩井俊雄が完成させた TENORI-ON は、Kraftwerk、 コーネリアス、 Rai Harakami、 Matthew Herbert と
いったアーティストが注目し、さらにはあの Bjork も先日の武道館公演で使用したという話題の次世代インタフェース。今回のイベントでは、その
TENORI-ON をキーワードに、ドイツ・エレクトロニカ・シーンの重要ユニット To Rococo Rot や、 Senor Coconut の名でも知られる Atom Heart など
のオーディオ / ヴィジュアル・アーティストを集結させ、音と映像の来たるべき姿を披露してくれることとなる。
今回の HigherFrequency Spacial では、そんな次世代型イベント PRE-VIEW & AFTER-VIEW の詳細と、実際に TENORI-ON を使った貴重なライブ
映像もご用意したので、ぜひチェックしてほしい。
ロナルド・リポック、ロバート・リポックのリポック兄弟と、ステファン・シュナイダーで構成されるTo Rococo Rot は、1990年代半ばに結成。エレクトロニカにオーガニックなエッセンスを加えたスタイルが評判を呼び、Kitty-Yo、
City Slang、Staubgold、Domino Records など、さまざまなレーベルからリリースを重ねる。これまで世界中で
行われてきたローンチ・イベントでは、ロバートがソロとして TENORI-ONを演奏。舞台美術を手がけた経験を
活かして自作した演奏用スタンドと共に繰り広げられるライブは毎回ハイクオリティなものだったという。
その彼が日本でのローンチ・イベントに、To Rococo Rot として来日。特筆すべきは、これがバンドとしては
初来日ということだ。この粋な計らいは、ひとえにTENORI-ONに対する彼の愛情そのものであろう。ドラムや
ベースといった生楽器を導入した実験的なバンド・スタイルで常に新境地を開拓するTo Rococo Rotのサウンド
が、TENORI-ONと絡む様子を堪能したい。
1966年、ベルリン生まれ。若いころよりミュージシャン、ヴィジュアル・アーティスト、舞台セットデザイナーなど様々な活
動を行う。1990年代に兄のロナルド・リポック、デュッセルドルフ出身のステファン・シュナイダーと共に、To Rococo Rot
を結成。加えてオラフ・ニコライ、ダグ・エイケン、そして小金沢武人といったヴィジュアル・アーティストの作品にも音楽
を提供している。ソロミュージシャンとしても「open close open」(Raster Noton、2001年)、「Falling into Komeit」(Monika
Enterprises、2004年)をリリースしている。
ステファン・シュナイダーによるエレクトロニック・ダブ・ユニットがマップステーションである。これまでソウル・スタティック
・サウンド、カラオケ・カルク、スケイプなど、様々なレーベルから作品を発表している。ヴラディスラヴ・ディレイらとの
ツアーも話題となり、ラス・ドノヴァンをフィーチャーしたダブ・テイスト溢れるサウンドや、ペイル・セインツのメンバーでも
あったクーフェンことメリエル・バーハムとの共作でも聴くことが出来るムーディーなエレクトロニック・サウンドはヨーロッ
パを中心に広く支持されている。
at :
EATS and MEETS Cay (スパイラル B1F)
LIVE:
Atom Heart (Senor Coconut)
Paul de Jong from “The Books”
RYOICHI KUROKAWA
DE DE MOUSE
OPEN: 18:00 / DOOR: \5000 ADV: \4500
■チケット取扱:ローソンチケット(Lコード:75293)
スパイラル レコード他
■ チケットWEB予約(限定150枚):
http://www.pvav.org/
さまざまな名義を使い分け、この20年来で70枚以上のアルバムをリリース。自主レーベル“Rather Interesting”を
設立し、数々の著名アーティストとコラボレーションも行なう。 1995年、ドイツからチリのサンディエゴへと拠点を
移し、セニョール・ココナッツとして、ラテン音楽と電子音楽(KraftwerkやYMOなど)を混淆させた実験的かつポップ
な音楽を発表していく。 セニョール・ココナッツ名義での2006年のアルバム『プレイズYMO』では細野晴臣、
高橋幸宏、坂本龍一、テイトウワらが参加。ダフト・パンクやプリンスをラテン・カバーした2008年の最新作
『アラウンド・ザ・ワールド』には安田寿之が参加。
The Books は2000年にニック・ツァムートとポール・デ・ヨングが、 ニューヨークで結成したユニット。フォークトロニカに
さまざまなヴォイス・サン プリングを混ぜ込むという、ポスト・エレクトロニカの潮流を体現。これまでに4枚のアルバムを
発表し、独自の世界観を築き上げている。 スコット・ヘレン(Prefuse 73)とも交流があり『Surrounded by Silence』(2005)
に参加。『Prefuse 73 Reads the Books E.P.』では全編に渡りコラボレーションを行う。 また、コーネリアスの『Breezin'』
ではリミックスも手掛ける。 初来日が待ち望まれるThe Books よりひと足早く、今回はポールが単独でのライヴを
TENORI-ON とともに披露する。普段のライヴではチェロを演奏する彼が、今回どのようなパフォーマンスを見せてくれ
るのか、想像は尽きない。
1999年頃より映像/音響作品の制作をスタート、緻密で繊細な映像と音で構成される作品が国内外で高い評価を得て
いる。オーディオヴィジュアル作品"COPYNATURE" CD/DVD [PROGRESSIVE FOrM] (2003)"READ" CD/DVD
[daisyworld discs](2004)を発表。SKETCH SHOWやHUMAN AUDIO SPONGE (Sketch Show + 坂本龍一)、ACOなど
様々なミュージシャンの公演にてライヴヴィジュアルもオペレートする。バルセロナのSonarやローマのDissonanzeを初め、
ヨーロッパ、欧米、アジアでのアートフェスティバルや美術館、展覧会などで展示/上映され、またオーディオヴィジュアル
コンサートとしてもロンドンのTATE MODERN、リンツのARS ELECTRONICA、モントリオールのMUTEKを含む、多数の
著名な美術館やフェスティヴァルへ招待されるなど、より国際的な活動へと進展している。
緻密に重なり合う国籍不明なメロディを、モンゴルのホーミィを思わせるヴォイスサンプリングを縦横無尽に駆使して
イマジネーション豊かに表現し、2007年のインディ・シーンに旋風を巻き起こしたDE DE MOUSE(デデマウス)。
インディ時代の初音源「tide of stars」はフライヤーすら配らないという完全ノンプロモーションながら、インストゥルメン
タルの作品として異例のセールスを記録した。セカンドフルアルバムでありメジャー・デビュー・アルバムとなる
「sunset girls」をavexより2008年5月にリリースする。