DATE : 15, 22 September 2008
LINE-UP : Sven Vath, Minilogue, Ricardo Villalobos, Dandy Jack, Richie Hawtin, Heartthrob, Magda, Troy
Pierce, Barem, and many more...
PHOTOGRAPHER : www.phrank.net
TEXT : Kei Tajima
世界中のクラブ・ミュージック・ファンにとって「永遠の楽園」と言えば、スペインのイビサ島の他にないだろう。
Higher Frequency でも過去に2回ほどスペシャル記事をお送りしたイビサに、プライベートで筆者が再び訪れること
になり、スペイン当局による DC 10 への容赦ないバッシングや、アフターアワーズ営業の禁止など、今年は明るいニ
ュースの少なかったイビサを少しでも応援出来たら…という気持ちから、今回の訪問中でも目立っていたパーティーの
レポートを掲載することとなった。
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まず、やはり今年も猛烈な人気ぶりを見せていたのが Cocoon による Disco Invaders。ご存知の方も多いと思うが、 今年は Amnesia のご近所にあるギネスレコード級ビッグクラブ、Priviledge で Tiesto のパーティー “In Search of Sunrise” が同じ月曜日に始まったことから、客取り合戦は例年以上に激しかったはず。しかし、さすがは現在の シーンをリードする Cocoon Recordings、筆者が足を運んだ9月15日、22日共に両日とも満員御礼という人気ぶり を見せていた。 9月15日に行われたパーティーでは、Cocoon のボス Sven Vath, Ricardo Villalobos, Minilogue などが登場。筆 者のお目当ては先日アルバム “Animals” をリリースしたばかりの二人組 Minilogue のライヴだったのだが、その前 に訪れていた DC10 にて行われていた Luciano によるセットについつい聴き入ってしまったため、惜しくも筆者が Amnesia に到着する頃にすでにライヴは終了…。メインフロアでは Sven Vath のセット、ラウンジでは Ricardo Villalobos のセットがスタートしていた。例年同様硬質なテクノセットでメインフロアを沸かせていた Sven Vath の セットには少し上手に乗り切れなかった筆者ではあったが、Amnesia のテラスにぴったりな繊細でグルーヴィーなセッ トを披露してくれた Ricardo のセットには心の底から陶酔してしまうほどだった。最先端のトラックや彼らしいラテ ン・トラックを独特のグルーヴで繋いでいくセットには「流石」の一言。Ricardo の本領が十二分にも発揮されていた 、イビサならではのイベントであった。 | |
翌週の22日は、もはや恒例となった M_nus Night ということで、Richie Hawtin をはじめ、Magda, Troy Pierce, Heartthrob などレーベルを代表するオールスターが登場。筆者が会場に到着するとメインフロアにてレーベル・ボス Richie Hawtin がプレイしているところだった。まずここで実感したのは、Richie のものすごい人気ぶり。会場が満 員なのは言うまでもないが、フロアからは絶えず「リッチー!」(もちろん巻き舌)という黄色いかけ声が飛び交って いた。まさにスターと言わんばかりの人気を見せていた Richie だが、この日のセットは本当に凄まじいの一言。まさ に王者の貫禄という言葉が似合う安定したセットでありながら、実験的であり、洗練されていながら同時に大胆でグル ーヴィーという、筆者が体験した彼のセットの中でもベスト3に入る非常に素晴らしいセットを披露してくれた。そん な Richie のセットの中間に行われた Heatthrob のいつもに増してアッパーだったライヴも、テラスでプレイしてい たストイックな Magda のセットも印象深かったのだが、この日の軍配はやはりレーベル・ボスに上がったようで、 Heatthrob のライヴ終了後再び Richie が再びブースに登場すると、メインフロアはイベント終了時まで押し詰め状態 で盛り上がり続けるのであった。 Amnesiaの素晴らしいサウンド・システムやパーティー・ヴァイブの素晴らしさももちろんだが、ダンスミュージック ・シーンの最先端であるイビサ島の中でも、最も最先端の音を聴くことができる場所であり、ジャンルを超えて重要な 存在である Cocoon のパーティー。イビサにいく機会があるならば、絶対に一度は足を運ぶことをお勧めしたい。 | |
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