HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

SIZE NIGHT IN TOKYO 〜STEVE ANGELLO presents SIZEISM RELEASE PARTY〜 @ ageHa

DATE : 29th September, 2007 (Sat)
DJ : Steve Angello (Size Records/SWE), Sugiurumn (House Beat), and more...
PHOTOGRAPHER : Iwao Ohtake
TEXT : Ryo Tsutsui (HigherFrequency)



’03年辺りから自身が主宰するストックホルム・ベースのレーベル Size Records をはじめ、 Eric Morillo の Subliminal、イギリスの CR2 Records などから次々とフロア・ヒット作をリリースし、今年ハウス・ミュージック・アワードのベスト・プロデューサー賞やイビザのDJアワードではベスト・ニューカマー賞を受賞するなど、もっか絶好調の Steve Angello が最新の DJ Mix コンピレーション "Sizeism" のリリースパーティーのため ageHa に登場するということで、どのようなプレイを披露してくれるのか期待を胸に会場入りした筆者であった。


アリーナに到着するとすでに本人のプレイが始まっていたが、まだ序盤らしく、疾走感のあるトラックで軽快なサウンドを展開。観客を手であおりつつ楽しそうにプレイするそのスタイルは貫禄たっぷりで、まだ若干24歳には見えない存在感を放っていた。うなるようなベースラインに16分で刻むテッキーなハイハットが気持ちのいいグルーブを演出し、プレイは快調な滑り出しを見せたようだった。テッキーでありながら、ハウス的な雰囲気も多分に感じさせるサウンドで、筆者の個人的な印象としてはファンキーハウスの進化系といった感じ、人気の Great Stuff からリリースされた 'Bounce Baby' などしっかりとしたサウンドながらどことなくファンキーさも兼ね備えたような楽曲を中心に、楽曲の持つ起伏を上手く利用しながら少しずつビルドアップしてゆく安定感のあるプレイに筆者もそのプレイを楽しんだ。周囲の観客もそのしっかりとしたビートに導かれるように徐々に勢いを増してゆき、絶妙のタイミングで入るブレイクとそのブレイクから戻るときの低音の鳴りが気持ちよく、歓声も次第に大きくなっていった。抜けと戻りの構成を何度か繰り返し、十分にフロアのボルテージが上がったところでおそらく2分ほどはあろうかと思われるドラマチックなブレイクを持つ楽曲をプレイ、ブレイクに入り、少しずつ入ってくる音に、何度もブレイク後のはじけポイントを体験させられている観客は期待値もあがり、今か今かと待ち構えているような状態へ、来る、こない、来る、こない、来る、来る、来る、来たー!!ブレイクがあけた瞬間、ボルテージは最高潮へ、観客は狂喜乱舞で、あちらこちらで飛び跳ねる人も続出し、フロアはいよいよその勢いを増していった。


最高のブレイクポイントを演出し、大喜びのフロアに続いて投入したのはハウスの大名曲、 Jaydee の 'Plastic Dreams' のリミックス、少しずつ差し込まれてくる例のオルガンと鐘の印象的なメロディに、同曲がミックスされていっていることにいち早く気づいた観客から徐々に歓声が上がってゆき、その歓声が最高潮に達した瞬間に、独特なパーカッションを含んだあの印象的なビートが差し込まれ、更なる盛り上がりへ、この辺の構成の上手さには以前 Higher-Frequency のインタビューに答え、腕を見せびらかせるより、いいパーティーをクリエイトするということが大事と語っていた彼のパーティーに対する姿勢が感じられた。その後も勢いを停滞させることなく、テンションをキープしてゆき、ところどころで Eurythmics、'Sweet Dreams' の自身のミックスや Under World、 'Born Slippy' のリミックスなどある意味ベタとも言える楽曲をも躊躇なくドロップし、きっちり盛り上げてゆくさまはさすがといえる内容であった。どんな楽曲もいいと思えばプレイするといっていた彼であったが、それをプレイするに当たって、前後の楽曲から嫌味なく自然な流れでつないでゆくあたりに彼のスキルを感じつつ、本当の意味でどんな楽曲もボーダレスにプレイし、パーティーをクリエイトすることに徹するあたりにDJとしての彼の魅力を感じつつ、まだまだ盛り上がるフロアを後にした筆者であった。

 




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