HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

Real Grooves

Fabric feat. Richie Hawtin, Magda and Heatthrob @ Fabric, London

DATE : 23rd September, 2006 (Sat)
DJ : Richie Hawtin, Magda, Andrew Whetherall, Terry Francis and more
Live : Heartthrob
PHOTOGRAPHER : Kyoko Yanagawa
Text : Kei Tajima (HigherFrequency)


イビザからの帰路、ロンドンに数日間立ち寄ることになっていた筆者は、その週末にロンドンの老舗クラブ Fabric でRichie Hawtin 率いる M_nus のレーベル・ナイトが行われるという情報をキャッチ。イビザでもそのセットを堪能した Richie Hawtin & Magda のプレイを観に、いざ Fabric のあるファリントンまで向かった。

Fabric
Fabric

9月末のロンドンは意外に暖かかったものの、さすがに夜になると肌寒い。しかし予想通り取材 / ゲスト・リストの入り口には長蛇の列が…しかも挙句の果てに小雨がパラパラ降りだすという何ともアンラッキーな状況にちょっと不機嫌になりながらも、やっとのことで入場するとRoom 1 ではMagda が早い時間から大盛況のフロアを彼女らしいメカニックなミニマル・トラックの嵐でロックしているところであった。Richieの愛弟子として実力を備え付けてきた彼女の最近のセットは物凄いパワーに溢れるものがあり、クラウドが盛り上がるのも納得のプレイを見せてくれた。そんなMagda のセットによってすっかりエネルギーを充電し直した筆者は、カメラマンと共にブース近くで写真を撮ることに。しかし、観客のほとんどは背の高い外国人で、彼らの肩ほどまでの高さしか身長がない日本人女子2人組には写真を撮ろうとブースに近付くのも非常にハードルの高い作業であった。やっとのことで撮影を済ませ、持ち前のエクレクティックでテッキーなセットでRoom 2 をカオス状態にしてしまっていた Andrew Weatherall のセットや、Room3 で気持ちのいいミニマル・セットを披露していた Terry Francis のセットを堪能していると、再びRoom1 に戻る頃には、M_nus のライジング・スター Jesse Siminski によるソロ・プロジェクトHeartthrob のライブがスタート。Magda がソリッドな楽曲の数々でビルド・アップした空気を引き継ぐようにライヴをスタートした Heartthrob は、ダークでミニマルでありながらピーク・タイムを意識したセット・リストでフロアのクラウドを熱狂させ、大きなインパクトを残した。そんな Heartthrob のセットに続き、レーベルの長 Richie Hawtin が登場。イビザのCocoon Club @ Amnesiaでも彼のプレイを観ていた筆者だが、Fabric の音質とRichie Hawtin の音の相性の良さには、驚きの一言であった。宙に舞う電子音、突き刺さるような金属音、そして体を震わすようなベースといった、彼のセレクトするミニマル・トラックのディティールが強調され、楽曲のクオリティーの高さがダイレクトに伝わってくるのだ。それに Mr. Hawtin の DJ のスキルを加えればまさに無敵といった感じで、筆者も帰国する飛行機に間に合うギリギリの時間までその贅沢なセットを心ゆくまでエンジョイするのであった。

Fabric Fabric
Fabric Fabric
Fabric Fabric
Fabric
Fabric

例えば、それなりに雰囲気の良さそうなバーにフラっと入れば、良質のレゲエやロックがプレイされており、初心者でもお酒を片手にのんびりと音楽を楽しむことが出来る。ロンドンの音楽シーンの素晴らしさといえば、その多様さとオープンマインドなところにあるのだろう。3つのルームで様々なジャンルの最新の音楽を楽しませてくれる Fabric はまさにそんなロンドンの気質にピッタリであり、だからこそこれほどの長い間トップ・クラブとして君臨することが出来ているのかもしれない。日本の読者も、もしロンドンを訪れる機会があれば是非 Fabricに立ち寄ってみてはどうだろうか。

Fabric Fabric
Fabric Fabric
Fabric
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