DATE : 11th September, 2004 (Sat)
PHOTO and TEXT : TAKUMA MATSUI
Londonはセントラル、New Oxford Street. その裏通りにひっそりと構える"The End"。Layo & Bushwacka!, LTJ Bukem, Steve Lawler, Darren Emersonのレジデント・パーティーが毎週開かれ、自らもDJ/プロデューサーとして活躍するMR.Cが運営する、ロンドンでもトップレベルのサウンドシステムを持つビッグ・クラブである。そして今日、ここThe EndにDanny Howellsがカムバック!約3ヶ月ぶりのロンドンでのギグを披露してくれる事になった。"Nocturnal"と名づけられた今回のイベントでは、Dannyの8時間にも及ぶロング・セットと共に、隣接するクラブ"AKA"では今年のIbiza Anthemとなった"Lola's Theme"のShapeshiftersによるBack to BackのDJセットが組み込まれており、ロンドンのクラブミュージック・ファンにとって最高の週末を過ごす事の出来る内容が用意されていた。 | |
12時過ぎ、The Endに到着。クロークで上着を預けるとすぐにメイン・ルームへと足を運ぶ。だが、まだそこにはDannyの姿はなく、Liverpoolから来たDJ Donがダークなテック・ハウスと共に、蒼く光るフロアを温めている最中であった。タイム・テーブルを確認すると12:30amからのプレイとのこと。しばらくはドリンクと共にDonのセットを堪能する事にする。やがて、メイン・ルームを中心に円を描くように設置されたDJブースには、Dannyの登場を待つクラウド達が徐々に増え続け、フロア全体にも大きな期待感が漂い始めるが、それから1時間が経過した後もDannyが姿を現す気配が一向にない。待ちかねたクラウド達はAKAに流れ初めていったが、筆者自身も何かおかしいと思いスタッフに尋ねると、実はIbizaからのレコード・バッグが彼の居るヒースロー空港ではなく、ロンドンの東に場所を置くスタンステッド空港に流れてしまっていているとのこと!気を取り直してAKAへと移動することにする。 AKAに到着すると、そこではキャパを超えたクラウドの中、Shapeshiftersが大きくその名が映されたスクリーンの元、イビサの夏を思わせるカッティング・エッジ・サウンドを響かせている所で、4つのターンテーブルから繰り出される彼らの世界観を十分に楽しませてもらう事が出来た。 | |
それから約1時間ほどしてThe Endに戻ってみると、バンギングなプログレッシブ・サウンドが聴こえてくる。早速メイン・ルームへと向かうと、そこには踊りながらプレイするDannyの姿が!一気に全身の血が騒ぎ、ブースへと向かう。テック・ハウス、トライバル・ビートを中心としたファンキーでソリッドなサウンドで怒涛のセットをプッシュしていくDannyは、時折クラウド達との会話を楽しむ余裕を見せながら、いつものスマイルを浮かてフロアを熱気の渦へと変えていく。そして、The Endが誇る12台のモンスター・スピーカーから放たれる重厚なサウンドに、筆者は完全にノックアウトされてしまうのであった。 もう、これは楽しむしかない!と思い、ブースの前で踊りまくっていると、どこかで見たことがある色黒でガタイの良い男が、隣でアニマルのように踊りまくっている…何と、Omid 16Bだ! それにDesyn Masielloも昨夜のセットを終え、同じエージェンシーでもあるDanny Howellsに会いに駆けつけている。彼らとの再会を軽く祝った後、再びDanny Worldへと身をまかせる。それにしても、同じフロアでビッグDJであるOmidとDesynの2人が普通に溶け込んで踊っているのはちょっと不思議な感じがしたが、Dannyが築きあげていくサウンド・スケープの中で、「DJ」や「アーティスト」という以前にダンスミュージックを愛する人間として純粋に楽しんでいて、筆者自身、何とも言えない嬉しさがこみ上げ、今までの経験した中でも最高の時間を過ごす事が出来た。 | |
今回のDannyのセットは、終始ハードなテクノ寄りの内容で、クラウド達はみんな休むことなくひたすら踊り続け、気が付けばフロアは 途絶えることのないビートと共に埋め尽くされていた。やがて、セットも終盤にさしかかると、"Octave One feat. Ann Saunderson - Blackwater"が投下され、怒涛のテクノからハウスへと徐々に音が傾き始めていく。そして、時計の針が6時に差し掛かる頃、美しいピアノがフロアを支配し始め、そのサウンドが耳に入った瞬間、これを待ってたんだよ!と言わんばかりにクラウド達が叫び出し、この日のセットはクライマックスを迎える事に。"Bent - Always in my heart (Ashley Beedle remix)である!ループするピアノに、うねるベースラインと美しい女性ヴォーカルが見事に溶け合うこの名曲に、筆者も飛び回り、Danny、Omid、Desyn、そしてクラウド達も一体となってこの日のパーティーは終わりを告げることになった。 |
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