HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

MAGNIFICENT feat. ARMIN VAN BUUREN & REMY @ ageHa, TOKYO

DATE : 13th October, 2007 (Sat)
DJ : Armin Van Buuren (ASOT2007/NED), Remy (68 Recordings/NED), Yoda (Horizon), amd more...
PHOTOGRAPHER : Iwao Ohtake



DJ Mag の人気DJ投票ランキングにて3年連続世界DJランキングトップ3を記録し、’06年度のランキングにて2位を獲得。押しも押されぬトップDJとして認知されている Armin van Buuren がこれまでに Paul van Dyk や Tiesto を招聘してきた ageHa の人気イベント MAGNIFICENT に登場するとのことで、いったいどのようなプレイを披露してくれるのか、期待を胸に会場入りした筆者であった。


会場に着くと Armin の盟友 Remy がテクノやプログレッシブのテイストを感じさせる男らしいプレイを披露していた。ハリのある低音としっかりしたビートでぐいぐいと引っ張っていくサウンドで力強く観客をリード、途中 Nathan Fake 'Outhouse' の Valentino Kanzyani Mix など一見意外な楽曲なども織り交ぜつつ最後まで勢いを失うことなくプレイを終了した。

そして登場したのが Armin van Buuren、 ここ数年ですっかりトップランカーとしての地位を確立しているだけにその登場から場内の期待の高さがうかがえた。おそらく Armin 待ちをしていたのであろう観客がフロアに次々と集まりだし、よりいっそう人口密度が高い状態に。あちらこちらから歓声も起こり、それに応えるように真っ白のシャツを着て、両手を挙げた本人がステージに登場。映像モニターに大きく Armin van Buuren のロゴが映し出され、皆がその出だしを固唾をのんで見守る中、ビートを投入。出だしと同時に大きく盛り上がった観客とは対照的に比較的ゆったりとしたビートが淡々と展開してゆくトラックで自然と観客をサウンドに引き込んでいった。

まず印象的だったのはそのライトなサウンドで、 ageHa ほどのサイズとなると強めのビートで観客を引き込んでゆくアーティストが多いが、出だしの彼は非常に軽く、ボディソニックもあまり感じないようなトラックでスタートしたが、それが逆に心地よく、軽いサウンドながら切れのいいハイハットが非常に気持ちのいいグルーブを演出していた。心地よく流れる中に切れのあるビートをキープしつつ、少しずつ疾走感が加わってゆき、自然と観客を引き込んでいきながら、徐々にメロディアスなシンセが差し込まれて、ダイナミックなブレイクへと展開。彼が構成する滑らかなヤマに導かれるように場内の歓声も大きくなってゆき、ブレイクに突入するとその開放感に導かれた観客から大きな歓声が上がるとともに、フロアを埋め尽くす観客は早くも総ハンズアップ状態へ。個人的には最近さほどトランスを聴いていなかった筆者にとっては、久しぶりに聞くほどゴージャスなシンセサウンドがフューチャーされた、派手なブレイクだったが、決して嫌ではなく、むしろかっこいいなと感じた。そこまでの流れの自然さが最大限にその曲の魅力を引き立てていたことによって、それだけのダイナミックなブレイクが差し込まれることに違和感がなかったのだと思う。

ダッチトランスの貴公子とも呼ばれる Armin だが、彼にとってそのスタイルが自然であり、むしろ彼が持つ感覚を表現するためにはそのサウンドスタイルこそが非常にマッチしているということが実感できた。個人的に彼のサウンドから感じたのはそこはかとなく漂う清潔感で、真っ白いシャツで両手を飛行機のように大きく広げる特徴的なステージングで、観客の歓声に応える彼のたたずまいにまったく違和感なく溶け込んでいた。

またこの日、彼はDVJを使用し、映像ミキサーも手元に設置し、映像のオペレーションも自分でこなしていたとのことで、彼自身が操るイメージ映像と音楽の協調性が Arminワールドを濃厚なものとすることに一役買っていたといえるだろう。

ORGANZA 10 feat. ALEX UNDER 1st ANNIVERSARY !!

大きな盛り上がりを見せた後も彼は流れを崩さずに滑らかに起伏を作りながら徐々に激しいサウンドへとシフトしていき、グルーブに少しずつアシッディなサウンドが差し込まれ、疾走感が増してゆく中、ドロップしたのは John Digweed のユニット Bedrock の大ヒット曲 'Heaven Scent'。 これには会場内も大盛り上がり、アリーナ中がはじけ、あの印象的なシンセリフが鳴り響くなか、イビサの空港に降り立つジェット機の映像が映し出され、本人も満面の笑みで両手を広げる飛行機のパフォーマンス。そんな中観客が盛り上がらないわけはなく、ますます勢いを増していった。

その後も音と映像がリンクしたパフォーマンスは冴え渡り、女性のボイスサンプルが印象的な楽曲ではそのボイスサンプルと完全に同期して映像モニターに歌詞が映し出され、映像と音で作り出されるブレイクも披露。ボイスサンプルと歌詞が同期しリフレインする中、ビートがやんでゆき、ボイスサンプルと歌詞だけに。ここの演出効果はすばらしくVJとDJが別々にプレイしている状況ではなかなか作れない演出だったといえるだろう。随所に映像も絡めた演出を見せながらパーティーを盛り上げてゆく彼の手法を見ていると本当に ageHa のような大きなサイズの会場を演出するのに慣れているなと感じた。彼はその後も観客の盛り上がりに答える華やかなプレイを展開し、観客もそれに負けじとラストまでとどまることなく盛り上がりを見せていった。

ORGANZA 10 feat. ALEX UNDER 1st ANNIVERSARY !!

 




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