HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

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WOMB presents W feat. SASHA @ WOMB, TOKYO

DATE : 28th October, 2006 (Sat)
DJ : Sasha, Kevin Shiu
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley Official Site
Text : Kei Tajima (HigherFrequency)

イベント詳細

昨年の2週にわたるレジデンシー、そして伝説的ユニット Sasha & Digweed としてのギグと、東京のクラブ・シーンに大きなインパクトを残していったクラブ・シーンのカリスマ Sasha が再び渋谷WOMBに来日を果たした。約1年ぶりとなった今回のイベントには、ちょうどハロウィーンが重なったこともあり、仮装したクラウドや Sasha のプレイを心待ちにしていたクラウドで大賑わい。2回に分かれていた昨年のイベントでは2分割されていたのであろうクラウドが一気に集合し、相変わらずの人気振りを実証する激混みぶりであった。


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インターネット・ラジオ Frisky Radio 等で活躍しているカナダ、ヴァンクーヴァー出身のアーティスト Kevin Shiu の主役を立てる様に謙虚で良質なセットが終了する頃には、フロアは空気が薄く感じるほどの熱気で包まれていた。すると、お決まりのアップル・マークがブースに現れ、髪をさっぱりカットした Sasha が登場。歓声の中、スローなイントロで始まりベース・ラインが響くと、その途端にフロアの空気を掴んでしまった Sasha 、その後は Abelton だからこそ可能なシームレスなセットで流れをつくり、印象的なトラックのフレーズをあちらこちらに登場させたり、小さなピークを作ってフロアの期待を膨らませながらも、次の瞬間には再びダークな音をドロップして次第にフロアの欲求を大きくしていく。どれ程のビッグ・ネームでも、自分を見つめて立ち尽くす大勢のクラウドを目前にすれば、ヒット・チューンや分かりやすい爆弾トラックを落としたくなってしまうのが普通だろう。しかし、この日の Sasha のようにクラウドを飽きさせない選曲で見事にフロアに縛りつけ、ブレイクへの期待の波を大きくしていくという絶妙なバランスを粘り強くキープして行くには、なかなかの精神力とカリスマ性が必要であり、後半のポジティヴなヴァイブ溢れるプログレッシヴ・チューンの嵐によって一気にクラウドが爆発する頃には、なぜ Sasha がこれほどまでに影響力とカリスマ性のある DJ なのかがダイレクトに伝わってきたのであった。 昨年の WOMB でのセットには多くのエレクトロ・トラックが含まれており、流行を意識したセットだったのにも関わらず、今年はシーンに次々と生み出されている新しい楽曲を織り交ぜながらも我流を貫き通した、まさにプログレッシヴ・ハウスと呼ぶに相応しいセットを披露してくれた Sasha。何かを悟りきったような威力を持った今年のセットは、多くのクラウドの心に残ったに違いない。

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