HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

Sasha

WOMB presents W feat. SASHA @ WOMB, TOKYO

DATE : 13th November, 2004 (Sat)
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley / Official Site
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)



プログレ・ファンには相当痛かった衝撃の来日キャンセルから3ヶ月、彼の来日を心待ちにするファンの気持ちが通じたのか、言わずも知れたプログレッシヴ・ハウス/トランス界の長-SASHAの約二年ぶりとなるWOMBへの出演が決定。ファン待望の"お目見え"実現となった。来日ラッシュの続く今月11月の中でも、特にスタンド・アウトしている超ビック・ネームDJ公演ということで、相当な混雑が予想されたイベント当日。HRFQも気合を入れてオープン直後に渋谷WOMB入り。万全の準備で王者の登場に備えた。

足早にダンス・フロアに向かうと、既にフロアの3分の一を埋め尽くしているクラウドが心なしか気合の入ったWOMBのレーザー&ライティングをバック・グラウンドにして、DJ OHNISHのトライバルなセットに体を揺らしていた。前半ダークな選曲でテンションをキープしていたOHNISHだが、Chabの"Closer To Me"を皮切りに中盤からアップ・リフティングな展開を見せていき、それに合わせて集まってくるクラウドの数も目に見えて多くなってくる。

Sasha
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Sasha Sasha
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いよいよ苦しいくらいにフロアが混み始め、太いビートに乗ってエスニックなヴォーカルが響き渡り、いかにも"SASHAの登場"といった雰囲気が漂ってくると、DJブースには光り輝くアップル・マークが。Abelton Liveと共に我らがSASHAがブースに姿を現したようだ。待ちに待ったとばかりにフロアからSASHAコールが沸き起こると、ビートの効いたエレクトロニカ・チューンでセットをスタート。やっと姿を現してくれたカリスマを前に、フロアの隅から隅までいっぱいに埋め尽くされたクラウドは、小さいスペースの中で"踊る"というよりも縦にジャンプしたり両手を挙げたりして精一杯喜びを表現する。ブースの中で黙々と作業するSASHAは、ほとんど歌モノをセットに持ってこないにも関わらず、ビートや曲調の違いで次々とフロアのカラーを変化させていく。

SASHAの指先からはじき出された音のモンスターに完璧に支配されてしまったフロアの空気には、恐怖心さえ抱いてしまうほどだった。迫力のある音で語られていく喜怒哀楽のストーリーや、アルバム "Involver"で表現した、トラックを一曲一曲をつないでいくというよりも、セット全体をまとめて一曲にしてしまったかのようなスムーズで美しいセット。神業としか言いようが無いその美しい音の水彩画に、聴く側はただ圧倒されて体を揺らすことしか出来ない。Chable and Bonnici の"Ride"のはじけるようなメロディーにのせ、フロアが激しく縦に揺れると、アルバム "Involver"にも収録されていたFelix Da Houesecatの"Watching Cars Go by"の印象的なギターが響く。クラウドの中には感極まって叫んだり、隣の人と抱き合ったりする人が続出し、4時間という長い時間をかけてビルト・アップされた最高の一体感がフロア中に充満すると、そこでDonna Summerの"I Feel Love"リミックスが。正直「今さら?」なこの曲も、このタイミングでドロップされると、まさにベスト・タイミングな一曲に聴こえてくる。まさにSASHAマジックが起こした奇跡を目の当たりにしたような瞬間だった。その後30分にわたるアンコールが終わってもフロアを去ろうとしない満員のクラウドに、拍手しながら笑顔でブースを去っていくSASHA。王者の貫禄を見せながらも、クラウドの気持ちにこたえて全力投球の素晴らしいセットを見せてくれた彼に、心から感謝したい。恐れ入りました、SASHA様!!

Sasha Sasha
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