HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

Desyn Masiello

WOMB presents DESYN MASIELLO @ WOMB, TOKYO

DATE : 5th March, 2005 (Sat)
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley / Official Site
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)


昨年一月に来日し、エレクトロを中心としたエクレクティックなセットでその存在感を十分にアピールしてくれたダンス・ミュージック界のライジング・スター Desyn Masiello。2004年は自身のレーベルAlternative Route RecordingsからリリースしたChable&Bonicciの"Ride"が世界的に大ヒット、そしてBedrockからリリースしたミックス CD "Original Series"が大成功したこともあり、A&Rとしても、アーティストとしても、例年にも増して多忙な日々を過ごしてきたであろう彼の一年ぶりとなる再来日が決定し、音に敏感なリスナーの間では絶対に見逃せない夜として話題を集めた。

Desyn Masiello
Desyn Masiello
Desyn Masiello Desyn Masiello
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今回はオープンからたっぷりとDesynのセットが堪能できるということで、HRFQ一行もインタビューが終了すると早速ダンス・フロアに向かった。オープン直後のため、まだ人もまばらなフロアに一歩足を踏み入れると、一瞬にしてその並々ならぬ音の存在感に圧倒されてしまう。正直、こんなにも早く彼の実力を見せつけられることになろうとは全く予想していなかったため、少々動揺してしまったのだが、セットはここからが本番。クラウドも徐々に集まりはじめ、筆者を圧巻したファンキーでダーティーなビートの嵐に合わせ、あっという間にフロアも満員状態になった。すると、徐々に高まってきたクラウドのテンションに呼応してビートを早めてきたDesynは、ピアノのイントロが印象的なBush II Bushの"Piano Track"や、ハウス・シーンで大ブレイク中のBlazeの" Presious Love"など、エクレクティックな選曲を展開。さすが凄腕A&Rというだけあって、「一体どこで見つけてくるの?」と思わず尋ねたくなってしまうほど新鮮な楽曲を次々とドロップし、それらをスムーズに繋げていく。インタビューでも、一日のほとんどをオンライン・ショップでのレコード・ショッピングに費やしていると語っていただけに、相当な量の音に日々触れているのだろう。Desyn自身がヒットへと導いた楽曲、Chable&Bonicci "Ride"でフロアを熱狂させると、終盤に向かいながら、ピークを何度もつくってクラウドを盛り上げていく。トラックに対する彼の深い理解力と、強い愛情が伝わってくるようなセットの構築の仕方には、こちら側も我を忘れてしまうほどの高揚感を感じ、最後まで一瞬たりとも退屈させられることがなかった。

一昨年、昨年とDJ来日ラッシュが続き、数え切れないほどのDJがプレイしているが、Desynほどに"DJ"と呼ぶのに相応しいDJは珍しいと思ったのが率直な感想だ。DJとは本来、ターンテーブルを通じてクリエイターとリスナーを繋げる媒介人。ただ、会場を盛り上げることの出来るDJは五万といるが、Desynのように研ぎ澄まされたセンスでクラウドを心の底から感動させることの出来るDJはそういない。そんなことを考えつつ、彼の有望な才能と今後の活躍にワクワクしながら会場を後にするのであった。

Desyn Masiello
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Desyn Masiello Desyn Masiello
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