HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

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RED BULL NIGHTMASTER *TRICO presents CIELO @ RISE TOKYO

DATE : 27 June 2009 (Sat)
GUEST DJ : Calm, Shin Nishimura
DJ : Washikita
VJ : Enlightenment
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley, Satoshi Kuronuma
TEXT : Yudai Komatsu


Red Bull が選出したイベントオーガナイザーによるコンペティション第3弾 「CIELO」!昨年8月に国立競技場で史上初となるオールナイト野外フェス 「Soul Mate Music Festival’08」 を大成功のうちに収めた Washikita (Eagle-North Sound) がオーガナイズを手がけ、ゲストにあらゆるジャンルを音を収斂させ唯一無二の音を解き放つサウンドクリエーター Calm、そして日本が誇る世界のテクノプロデューサー Shin Nishimura を迎えた。

六本木…この響きに連想させられるような賑やかさとはほど遠い静寂な場所に今回の会場、Rise Tokyo はある。パーティーのテーマは 「Wings」 と聞いていた。一体どのように表現するのか、躍る胸を押さえ、Rise Tokyo を目指した。

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会場へと続く長い階段を上りきると 「Red Bull Night Master」 のロゴが色鮮やかに映し出されていた。ドアを開け一歩足を踏み入れると絶句した。パーティー会場であるはずの空間が、色鮮やかな映像で彩られ、七色の空にいるかのような感覚に捕われたのであった。 会場全体を四次元に使った演出は、限りなく計算尽くされた位置から四方八方に映像が映し出され、音楽に併せて一つの物語のように構成されている。まるで一つの映画を見ているような感覚さえ覚えた。単純作業による映像の変化ではなく、イベントのテーマである 「Wings」 をアブストラクトに表現していた。そして、さわやかな疾走感を感じ始めてからは完全にパーティーへとのめり込んでいった。

オープニングを務めたのはパーティーオーガナイザーでもある Washikita。 彼自身が最も得意とするミニマルテクノを 「Wings」 というイメージとシンクロさせ、空間をうまく使ったドラマチックなプレイはパーティーの質の高さを伺わせた。映像に負けないほど(この場合は映像と音の勝ち負けではなく共存と言った方が良いだろう)タイトなMixと展開力に、フロアは徐々に揺れ始めた。程よい高揚感を覚え始めた頃、Shin Nishimura にその翼は受け継がれた。 その直後、フロア中に歓声が渦巻いた。突然、目の前に無数の細かい雪が舞い降り、光を放ったままフロア全体を包み込んでいったのだった。そして、Shin Nishimura が奏でる 「Wings」 をイメージしたトラックの数々により、フロアはさらに空高く舞い上がった。テクノ、テックハウスを軸に Shin Nishimura 特有の強弱を付けた構成、中高音を絶妙なバランスでMixする非凡なセンスにより、フロアの誰もが己の背中に授けられた翼を確かなものとして感じ始めたのであった。

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そして遂に、その翼は Calm へ引き継がれた。ダイナミック且つロマンチックな選曲により、まるで会場ごと浮遊しているかのように感じた。風使いのように空間を操る Calm。それに応えるフロアは、何もかも忘れ、優雅に空を飛行していた。パーティーが終焉を迎え、ランディングした頃には、一つの映画を見終わりエンドロールを迎えるあの達成感や充足感のような感覚にとらわれた。 帰り際もまだ浮いているような心地よさが残った。

それはまぎれもなくこのパーティーが 「Wings」 を我々に授けてくれた証拠であった。 数日たった今もなお思い出すと少し浮けるのではないか、という感覚に捕われて止まない。

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