DATE : 25th June, 2005 (Sat)
DJ : Sven Väth
PHOTOGRAPHER : STRO! ROBO
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)
前日の Pascal F.E.O.S.そして Frank Lorber によるショーに続き、イベントの第2日目を飾るのは、Cocoon 帝国のドン Sven Väth による 7hours セット。網目のように空間を覆うレーザーと、ミラー・ボール、そしてスモークによってつくり出されるその幻想的な空間に対して、巨匠 Sven は一体どのようなセットを披露してくれるのか。ダンス・ミュージック・ファンならば誰もが気になるイベント内容であり、筆者の経験からして Sven のプレイするクラブが満員状態でなかったことは一度もないため、今回も早めに会場入りすることに。 フロアに足を踏み入れてすぐ、昨日とはレーザーの演出の違いに気付く。"Frankfurt Moonlight" というサブ・タイトルとマッチした、昨日より少しダークなライティングによって、ステージ上でプレイする Sven の笑顔が浮かび上がっていた。早めに会場入りしたものの、フロアは既に満員状態。しばしフロア後方からそのアーティスティックなレーザーによる演出を眺めることにした。 | |
セット前半の Sven は、ダークなエレクトロ系トラックとシンプルなエレクトロ・トラックを交互に行き来しながら、フロアの状態を伺っている様子。最近リリースされた自身のミックスCD "Sound of the fifth season"にも収録された Roman Flugel による最近のクラブ・アンセム "Geht's Noch?"など、質のいいトラックはプレイしているのだが、筆者としてはいまいち音に入り込めず、しばらく次の展開を待つことに。だが、フロアを訪れるクラウドの数は時間を追うごとに増えていき、フロア後方でさえもスペースを確保することがままならなくなったので、勇気を出してフロア前方に移動。すると、その瞬間に Fischerspooner による"Just Let Go"がドロップされる。最近の Sven テイストが前面に出された選曲にフロアのテンションもかなり上昇するのだが、それを受けて Sven のテンションも急上昇してしまったのか、その後はハードでバンギングなテクノ・トラックがフロアを支配することに。ここで、筆者はあまりの熱気に耐えられず 1Fへ移動。レーザーとデコレーションによって演出された部屋ではちょうど DJ AKi によるセットが行われているところだった。歯切れの良いビートが気持ちのいいドラムン・ベース・セットと共に少し気分をリフレッシュさせると、再びフロアへと向かう。そこでは続いてハイ・テンションな怒涛のテクノ・セットが行われていたのだが、しばらくすると、先日もプレイされた Guy Gerber による"Stoppage Time"の印象的なイントロが聴こえて来る。筆者も個人的に大好きなトラックではあるのだが、ここまで激しいトラックに続いてプレイされると、楽曲の勢いが薄れてしまうようで、少々もったいない感じがしてしまったことは否定できない。しかし、ここから終盤に向かってはダークでグルーヴ感のあるエレクトロ・トラックが再びドロップされることに。激しい音の嵐の後に現れた虹の様に光るレーザーの下で、しばし官能的で美しい音の空間に包まれていると、マイクを持ったSven自身によってセットの終わりが告げられる。7時間にも及ぶ長い旅、そして二日間にわたる豪華な演出に終止符を告げるラスト・ソングとして選ばれたのは Hugg&Pepp による"Snabeln"。その印象深い電子音のメロディーと浮遊感のあるシンセ音はフロアに大きく響き渡り、名残惜しさを残しながらも消えていくのだった。 | |
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