DATE : 10th June, 2005 (Fri)
DJs : Ivan Smagghe, ATA, Toshiya Kawasaki
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley / Official Site
TEXT : H.Nakamura (HigherFrequency)
最近のヨーロッパにおいて最も熱い注目を浴びているDJの一人で、ポスト・エレクトロ・クラッシュのシーンを担う旗手として抜群の人気を誇るパリ出身の Ivan Smagghe。そして、Ricardo Villalobos や Roman Flugel、Isolee、LoSoul など、今をときめくトップ・スターを次々と発掘した慧眼の A&R であり、ここ日本においても絶大な人気を誇るドイツのハウス系レーベル Playhouse のオーナーでもある Ata。現在のヨーロッパのシーンを力強く牽引する旬のアーティスト二人による共演が、6月10日に代官山 UNIT において実現、後日、当サイトでも掲載するインタビュー取材も兼ねて、HigherFrequency も会場へと足を運んだ。 | |
Ivan にとっては初めて、そして Ata にとっては2度目となる今回の来日公演。セット自体は二人による4〜5曲ごとのバック・トゥ・バック方式で繰り広げられ、グルービーなテック・ハウスやディスコ系ダブを中心に、時折パンキッシュでフリーキーなトラックを挟みながら、かなりハイテンションな雰囲気で進められていく。全体的な流れとしては、天才肌の Ivan が、強烈な匂いを放つキラー・トラックを「バン、バン、バン」と連発し、一気にフロアのテンションが上がったかと思うと、飽きっぽい性格なのか、4曲目〜5曲目にはテンションが一気に急降下。そうすると、絶妙なタイミングで ATA が登場し、彼の職人っぽい選曲とミックス・スキルで再びフロアの熱を高揚させていくといった感じ。普段から非常に仲が良く、かつ、お互いの才能を完璧に認め合っている二人だけに、そのコンビネーションはバッチリであったと言えるだろう。 しかし、この日の本当の主役は、あえて Ata であったと言っておきたい。主観的な意見で恐縮だが、筆者にとっても恐らく今年のベスト10に入ることは間違いプレイだったと言っても過言ではないくらいだ。Ivan も勿論、その自由度の高い選曲と一発の輝きという面では評価したいのだが、Ivan からどのような形でバトン・タッチを受けても、10分後には必ず自らの世界観でフロアを牽引している Ata のフロア洞察力は圧巻であり、さすがはドイツにおいてもトップ・クラスの呼び声が高いDJだけあるといった感じだった。最後の方になると、途中で懸命にプレイをする彼を尻目に Ivan は先にホテルに戻ってしまうのだが(笑)、そこから先はまさに Ata の真骨頂。自分ひとりのプレイを心から楽しむかのように、クリッキーでムーディーなミニマル・ハウスから、ディスコ風のリフが心地よいテクノ・トラックまで、まさに縦横無尽に駆け巡るクオリティ・プレイで最後の最後まで筆者を徹底的に楽しませてくれたのであった。 | |
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