HigterFrequency パーティーレポート

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Kaiser Chiefs

FUJI ROCK FESTIVAL 2006 REPORT @ NAEBA / DAY 01

DATE : 28th July, 2006 (Fri)
PHOTOGRAPHER : Masanori Naruse / Yasuyuki Kasagi / 宇宙大使☆スター
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)



いよいよフジロック初日。朝11時から Green Stage で予定されていた The String Cheese Incident のギグに間に合わせるために、朝7時の新幹線で東京駅を出発しようとしていた筆者だが、初日から幸先の悪いことに信号故障で上越新幹線がすべてストップ!例年以上に早起きしてきた筆者にとってはなんとも耐え難いスタートではあったが、新幹線の中ビール片手に待つこと2時間、やっと運転が再開し、自宅を出てから5時間という長旅の末、やっと苗場の地を踏むのであった。

この日の天気はすっきりしない曇り空。新幹線騒動ですっかり体力を使い切ってしまったため、結局昨年同様、午後からのゆっくりスタートとなってしまった。まずは真新しい気持ちで入場ゲートをくぐり、例年のようにオアシス・エリアを通り、メインとなる Green Stage の The Cooper Temple Clause のかきならす轟音を前に、一年ぶりに野外で聴く音の素晴しさを味わっていると、会場内でも2番目の大きさを誇る White Stage では Tommy Guerrero のギグがスタートする。まさしく Tommy Guerrero 節とも言うべくグルーヴィーで爽やかなギター・サウンドに合わせ、集まった大勢のオーディエンスも昼間から気持ち良さそうに体を揺らしていた。続いてWhite Stageに登場したDanger Mouse と Cee-lo による話題のプロジェクト Gnarls Barkley も、コックさんの衣装を身にまといながら、現在ヒット・チャートを総ナメにしているトラック ‘Crazy’ 等のトラックを披露し、パワフルなショーを展開した。


FujiRock2005

FujiRock2005
The Music
The Music

一度ホテルに戻り、深夜 Orange Court で行われるオールナイト・フジに備えて仮眠をとった筆者が再び会場へ向かうと、あたりはすっかり夜の雰囲気に包まれていた。Green Stage では本日のトリである Franz Ferdinand が、満員のオーディエンスを前に堂々のステージングを繰り広げている。2年前に彼らがフジロックに初出演を果たした際は、どこか“カミングアップ・バンド”風なフレッシュな勢いがあったものの、今回のギグはそれとは対照的な、トリを飾るのに相応しい貫禄タップリのものだった。お馴染みの ‘Take me on’ や ‘Michael’ に、ニュー・アルバムから ‘Do you want to’ などのトラックも披露し、アンコールで ‘Jacqueline’ をしっとりとプレイする彼らを横目に、筆者はイギリスのオーセンティックなスカ・バンド Madness のライブを観に、White Stage に向かった。16年ぶりの来日を果たした彼ら、’Baggy Trousers’ や ’It Must Be Love’ などのヒット・ナンバーがプレイされると、大人もキッズも肩を組んで歌ったり、円陣を組んでスカンキンするなど、会場には筆者にとってこの3日間でもベストと言えるほどのピースフルでフレンドリーな空気が流れていた。筆者も久しぶりにスカのライヴならではの、汗とアルコールの匂いに塗れた、素晴しい一体感を楽しむのであった。


Fuji Rock 2005
Fuji Rock

そんな Madness のショーが終わり、HigherFrequency 一行も歩きなれたボード・ウォークでオールナイト・フジが開催されるオレンジ・コートまでの道のりを行く。’03年に始まり、毎年その動員を着々と増やし続けているこのオールナイト・フジには、今年も会場には昨年同様多くの人々が集まっていた。ちょうど会場では、エレクトロニック・ミュージック界の貴公子 Tiga が DJ セットを行っているところ。昨年〜今年はスペインの Sonar をはじめとする世界中のフェスに引っ張りだこだった彼、今回のセットでもまず自身のヒット・チューンである ‘You gonna want me’ や ’Louder than a bomb’ 、’3 weeks’ をプレイし、最後は Tomas Andersson の ‘Washing Up’ でシメるなど、ロック〜エレクトロ・ファン大喜びのヒット・チューンを大量放出していた。会場自体は盛り上がっていたのだが、残念なことにラストのトラックは途中で切れてしまい、セット中でも曲が止まってしまうなど、本人にとってもベストなギグとは言えなかったかもしれない。相変わらずのアッパーなセットで観客を躍らせた Disco Twins に続いて登場したエレクトロ・デュオ Coburn は、セット序盤から Coburn ワールド全快のセットで飛ばし、自身の楽曲 ‘Give me your love’ 個性的なエレクトロ・チューンをプレイ。プレイの時間帯がもう少し早ければ、会場の雰囲気ともバッチリ合ったかもしれない…というのが正直な感想だが、最後にプレイした Soup Dragons の ‘I’m free’ を嬉しそうにプレイする二人の姿にはこちらも体を動かさずにはいられなかった。すっかり夜も更け、いよいよラストの Damian Lazarus が登場すると、いよいよ待ち望んでいたディープなベースと、頭の後ろをくすぐられるようなクリック音が会場中に充満する。一日中生音やロック系の楽曲を聴いていた筆者の耳には Damian のドロップするエッジーでダーク、そして官能的なエレクトロ・ハウスはかなり新鮮に聴こえ、すっかりそのディープな世界に浸ってしまった。また、先日の東京での来日公演に比べても、野外で聴く Damianのセットは格別で、終盤にタイミングよくドロップした X-Press2 ‘Kill 100’ のリミックスには完全にノック・アウト。1日目から完全燃焼してしまうのであった…。


Fuji Rock
Fuji Rock

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