DATE : 5 December, 2009 (Sat)
【WOMB WORLD WIDE Area: "Click 2 Click Special Showcase"】
RICHIE HAWTIN + DUBFIRE
with Very Special Guest : JOSH WINK
LIGHTING : AIBA
LED EFFECT : NUMAN
【KITSUNE Area: "Kitsune Maison Night with Digitalism"】
DIGITALISM, GILDAS & MASAYA, HEARTSREVOLUTION, BENI, DEXPISTOLS
LIGHTING : SAITO
PIGI EFFECT : UNU
ENTRANCE VISUAL INSTALLATION : GLMV (YU MARUNO)
Photo by STRO!ROBO, MASANORI NARUSE, CJ TEAM & HIKARU (CYBERJAPAN)
Text by Masanori Matsuo
都内の人気クラブ WOMB が発信する巨大フェスティバル WOMB ADVENTURE が今年も幕張メッセで開催された。世界的評価の高い WOMB ならではのコネクションと演出力を活かし、豪華かつカッティングエッジなスタイルで繰り広げられる同フェスティバルは、まさに日本ダンス・ミュージック・シーンの未来を創造する最も期待できるフェスのひとつだと言える。 今年は、Exit Festival でのプレイで世界中のテクノ・ファンを驚愕させた Richie Hawtin & Dubfire によるスペシャル・ユニット Click 2 Click をはじめ、’90年代から常にトップとして君臨してきたアシッド・テックのパイオニア Josh Wink、さらには、音楽からファッション、アートカルチャーにまで影響力を持つエレクトロ・シーンの総本山 Kitsune による Gildas & Masaya、Digitalism 等が出演し、初回ながら大成功に終わった前回からのプレッシャーを押し退けるがごとくの期待できるラインナップとなった。 | |
そんな期待を胸にオープンから2時間後辺りに会場入りした筆者であるが、まず驚いたのが WOMB WORLD WIDE Area での巨大LEDスクリーンだ。前回の Ali.M.Demirel によるアーティスティックなものとはまた違った、 ダンサブルで心臓を揺さぶるような光の展開はまさに圧巻の一言。タイミングよく降り注がれるレーザー・シャワーの演出も WOMB ならではで、すぐさま 「踊りたい!」 という衝動に駆られてしまった。 それに負けじとブース映えしていたのが Josh Wink なのだが、一聴して 「調子がいい!」 と思わせる輝きのサウンドを展開中。 Ovum 的なテック・ハウスをベースにエッジーなテクノを斜め角度からドロップ。得意のループ・テクニックを次々と披露し、発狂していくフロアをダークなミニマルで一気に落とす…。ダークなシーンでこそ輝く Josh の笑顔は、まさに絶好調の証そのもので、有り難さすら感じてしまった。中盤は懐かしの名曲 Joris Voorn の 'Incident' や、自身のアシッド・アンセム 'Don't Laugh' なども投入してくるというサービス旺盛な場面もあり、まだまだ浅い時間ながら会場は大きな盛り上がりをみせていた。 一方、KITSUNE Area の方は、 レーベルの創始 Gildas & Masaya がプレイ中。直球のエレクトロ・トラックをベースにニヤリとさせるサンプリング・ネタや激しいエフェクターさばきで、こちらも大いにフロアを沸かせていた。 また、前回にも増して映像が効果的に演出され、Kitsune サウンドに相応しいポップな色使いのヴィジュアルがエレクトロ・サウンドと完全にシンクロ。WOMB WORLD WIDE Area とはまた違う、良い意味での縦ノリ空間がバラエティ豊かなオーディエンスを乱舞させていた。 しばし休憩のため、フード・ドリンクエリアへ。思わず目移りしてしまうほどの、幾銘柄ものバーが立ち並び、またフードも和洋さまざまなものが提供され、ヒーターが側に置かれた座席で快適に過ごすことができた。 | |
WOMB WORLD WIDE Area に戻ると、まさにラスト・スパートと言える Josh Wink のプレイが続いていた。 かなりハードな展開で爆発を繰り返すオーディエンス。反面、Click 2 Click の登場を待つそわそわした空気が 「ビッグ・フェスだなぁ」 と楽しみつつ、いよいよ Click 2 Click の登場だ。 ブースへ現れた Richie Hawtin & Dubfire を前に奇声を上げるフロア。古くからの友人であるという Josh とのハグを交わし合うビッグ3の光景は、まさに贅沢そのもの…!こういったイビザ / マイアミのようなシーンをみせてくれるのも WOMB ADVENTURE ならではの楽しみかもしれない。 長いタメの後に繰り出される強固なキックで、ついに Click 2 Click のプレイがスタート。 巨大フロアは大いに爆発し、昨年の "CONTAKT" とは違ったアップリフトな幕を切った。 先日のインタビューで、 「Richie との Back to Back はとりわけ 『自然』 な感じに思えるんだ」 と Dubfire は語っていたが、まさにその通り。すごくナチュラルなテクノがそこにはあった。といっても、決して 「普通」 なのではなく、2人のセンスが見事に融合されたオリジナルのグルーヴと、ラップトップを同期させてこその反則的な音の抜き差しがスパイスとなった、全く斬新なサウンドを生み出しているのだ。誰でも踊れるようなサウンドだけれども、未来的でアンダーグラウンドな後味…。まさに 「Future & Nature」 と言える同フェスのコンセプト通りなショウケースに成功したのではないだろうか。 ラストはアンコール鳴り止まぬ熱気だらけの状態。 昨年に第1回目を迎え、本当の意味での挑戦となる今回も成功した WOMB ADVENTURE は、今後の発展を確信させる大きなポテンシャルを残しつつ、壮大なフィナーレを迎えるのであった。 | |
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