DATE : 08 December 2005 (Thu)
DJs : Paul Van Dyk, Yoda, Sugiurumn
PHOTOGRAPHER : Mark Oxley Official Site
TEXT : Kei Tajima (HigherFrequency)
常にトランス・シーンの中心的存在としてシーンの繁栄に貢献しながらも、ジャンルに囚われず、彼の音楽に対する探究心を強く感じさせるような音楽スタイルを提示し、オーバーグラウンドからアンダーグラウンドまで、ジャンルも国境をも越えて、人を団結させてしまう力を持つ DJ 、Paul Van Dyk。そんな希有な才能を評価され、今年10月に発表されたの DJ Mag DJ Top 100 では見事一位の座に輝いた彼が、DJ ランキング発表とほぼ同時期に、2001年にリリースされたコンピレーション・シリーズ “The Political Of Dancing” の続編となる ”The Political Of Dancing 2” をリリースした。ニュー・オーリンズ州で起こったハリケーン被害者のためのチャリティー・レイブを行うなど、音楽活動を通して政治的運動を盛んに行っている Paul 、そんな彼の「デモクラシー精神」を音で表現した産物であるこの ”TRODシリーズ” 第二作目のリリースを記念したワールド・ツアーがここ日本でも行われた。しかも今年の4月から約8ヶ月ぶりとなる今回のギグは、500人のみのプレミアム / ツアー最終ギグということで、平日ながら大きな注目を集めての開催となった。 通常のUNITとは一味違った雰囲気のフロアにぎゅうぎゅう詰めとなったクラウドが待ち受ける中、オープンからフロアをあたためた Sugiurumn に引き継ぐかたちで、黒いシャツというスマートな出で立ちの Paul が登場すると、フロアには平日とは信じがたいほどの熱気が充満していく。セット前半からハイテンションなセットを展開させる Paul は、アナログやCDは一切使わない、ソフトウェア・ベースでのプレイであるのにも関わらず、体に直撃してくるような非常にパワフルで重厚なベース・ラインを基調に、テック・トランス〜王道トランス系トラックまで、シームレスなミックス・スキルでセットを進めていき、自身のトラック ’The Other Side’ や、Markus Schluz の ‘Without You Now’ などをドロップ。途中には電気グルーヴの名曲 ‘虹’をプレイし、クラウドを喜ばせる場面もあった。終盤にかけてもファンキーで、テッキーな選曲でこちら側を飽きさせることはなく、クラウドも純粋に音に反応していく。そしてその頃には、フロアの広さも人数も全く関係のない、広大サウンド・スケープがクラウドの目前に描かれていくのであった。 いかなる場所においても決して妥協することのない、プロフェッショナルなアーティスト Paul Van Dyk。今回のショーは、そんな彼の生き様を見せつけられるようなショーであり、「勝つこと」でなく「共有すること」を目指す彼のフィロソフィーを、身をもって実感させられるような夜であった。 | |
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Relase Info : Paul Van Dyk / Politics Of Dancing Vol.2 (19/09/2005)
NEWS : 2005年 DJ Magazine Top 100 が発表の結果が発表! (2005/10/28)
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