HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

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GET LOADED IN THE PARK 09 @ CLAPHAM COMMON, LONDON

DATE : 30 August 2009 (Sun)
LINE UP : Orbital, Carl Craig present Innerzone Orchestra, Roni Size Reprazent, Royksopp, Booka Shade, Pendulum, Laurent Garnier, Peaches, Miss Kittin & The Hacker, Mstrkrft, Tom Middleton, Magnetic Man (Skream & Benga), Junior Sanchez, Tomoki Tamura
PHOTO & TEXT : Takahiro Nakayama



ヨーロッパ最大のカーニバル、ノッティングヒル・カーニバルが西ロンドンで行われる8月最終週末のバンクホリデー。イングランド北部では、ダンスミュージックの祭典 Creamfileds や国内最大規模のロック・フェスティバル Reading & Leeds Festival なども開催され、イギリス全土がパーティーアニマルによってお祭り状態となる夏の最後の週末。南ロンドンに位置する Clapham Common では Get Loaded in the Park が開催された。
Get Loaded in the Park は、豪華なラインナップとロンドン中心部より地下鉄で20分という手軽さから毎年人気のフェスティバルである。

前日に飲み過ぎたせいで、二日酔い状態で朝11時会場に到着。 一足早く会場に着いたので、紅茶を飲みながらゲートがオープン前の会場を散策。10分も歩けば会場内を一周することが可能な大きさである。会場内には4つのステージがありステージ間の移動距離も1、2分。ステージの他にも世界各国の料理を販売する屋台や、マッサージ師がプロモーションを兼ねて無料でマッサージしてくれるサービスなど音楽以外の楽しみも豊富だ。

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今年はチケットがソールドアウトした影響もあり、12時のゲートオープンから1時間くらいで全てのステージは人で埋め尽くされた。近隣住民への配慮もあり夜9時には全てのプログラムが終了するせいか、早い時間から飛ばしている若者が多い印象でフェスティバルがスタート。

メインステージで Tom Middleton のマッシュアップなセットが始まりメインステージがわかり易く盛り上がるのを後ろ目に Dimmak Stage に移動。Felix da Housecat のキャンセルを受けて Junior Sanchez が予想外のロッグセットでハウスと最新のエレクトサウンドを織り交ぜ独自の世界を演出していた。

Clash Stage に戻るとUKのエレクトロ・ロックバンド Devils Gun がフロアを Rock。そしてフロアが温まり始めた15時すぎにダブステップのラインジングスター Skream & Benga によるライブセットである Magnetic Man がスタート。重くて派手な印象の Skream & Benga のDJとは対照的にディープでプログレッシブなセットを堪能させてくれた。そしてロンドンで活躍する日本人DJ Tomoki Tamura がダブステップで盛り上がった後のフロアを Miss Kittin & The Hacker へと繋げる絶妙なプレイを披露。そして Miss Kittin & The Hacker 登場。彼らのライブを見るのは始めてだったのだが、Miss Kittin がマイクを持って熱唱。彼女のDJスタイルとイメージが違うミッドテンポなエレクトロで今までに見た事のないステージを演出。この頃になると全ステージが入場制限に達する勢いで盛り上がり始める。

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最後の3時間は Royksopp, Carl Craig、Orbital, Booka Shade, Laurent Garnier, Pendulum, Peaches, Rob da Bank が各ステージで出演。どこに行こうか悩んだものの、Carl Craig の Innerzone Orchestra を見てから、自分が最も尊敬するDJの一人である Laurent Garnier のステージへ行く事にした。

Carl Craig が Sun Ra のメンバーなどを迎え Jazz などを中心としたブラックミュージックを実験的に表現する Innerzone Orchestra。実はUKで Innerzone Orchestra 名義でライブをするのは意外にも今回が始めてということで、始まる前からオーディエンスの期待は絶頂に達していた。17時40分、時間どおり皇帝 Carl Craig 率いる Innerzone Orchestra が降臨。「盛り上がる事間違いなし」 と予想していたフロアは意外にも開始数分で沈黙に包まれる。フェスティバル前にアーティストを予習することを知らないイギリスの若者には予想外すぎたのか、多くのオーディエンスは彼らのパフォーマンスに対してシュールリアリズムを否めず頭を抱えメインステージを離れていった。中盤で Paperclip People 名義でリリースした名曲 'throw' や Innerzone Orchestra の代表曲 'At Les' を演奏するも時すでに遅し。個人的には満足できたが、盛り上がりに欠ける結果に。

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Clash Stage に移動するとライブ前の Laurent にバックステージで遭遇。彼とはロンドンの伝説となったクラブ The End のクロージングパーティー以来の再会で、前日に Creamfields でプレイしていたせいか疲れが見えた。しかし、ライブが始まると Innerzone Orchestra とは対照的にアグレッシブで始めからアクセル全開。90年代後半にヒットした 'Crispy Bacon' や 'The Sound of the Big Babou' を前半に披露。後半ではドラムンベースの楽曲をプレイするなど、曲間でマイクを使いお客さんを煽り、盛り上がりが最高潮に達したタイミングで 'The Man with The Red Face' をプレイ。途中でジャムを混じえるなど15分以上にもわたるスペシャルセットでフロアは狂喜乱舞に。Mark Knight の Remix で再ブレイクした名曲の破壊力を改めて痛感。Yellow, The End と立て続けにホームを失った彼がDJを減らしライブを積極的に行っているという事に納得させられる内容。ライブが終わっても鳴り止まない拍手、今日のベストアクトだった。

ライブ終了後に日本人らしく Laurent に挨拶をしてから、Orbital を拝みにメインステージに移動。光る眼鏡は健在だった。 復活したばかりと言う事で、'Chime' , 'Satan' や 'Midnight/Choice' などの往年の名曲を中心に聞き覚えのある曲を披露してくれたが、頭のなかでは 'The Man with The Red Face' のサックスのメロディーが鳴り響いていた。 ラップトップ1台でプレイするライブに飽きてきた昨今、ライブに対する新しい可能性を感じながら、混雑を回避するために一足早く会場を後にした。

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