DATE : 29 August 2009 (Sat)
GUEST DJ : Yoda
DJ : Yashima, YodaHaruka, Takekiyo
PHOTOGRAPHER : Moshinobu
TEXT : Terumi Tsuji
アメ村のど真ん中に位置するラグジュアリーなダイニング・バー、VANO。"不良" な大人の社交場としてオープン当時から人気のこのバーで、日本のトランスシーンを率いる Yoda をゲストに迎えてのフリーパーティーが開催された。 この日のスターターは、Grand Cafe などで活躍中の Takekiyo。プログレッシブハウスとトランスの中間とも言える美しい旋律のトランスで柔らかな空間を作り上げた。2番手は大阪クラブシーンを支える Yashima。ここ3、4年はすっかりテックハウスのイメージの強い彼だが、DJキャリアスタート当時はアッパーなトランスもプレイしていたということもあり、新旧のトランストラックを上手くミックスした貫禄のセットを披露。オーディエンスを驚かせた。 | |
そして2時を回った頃、本日のメイン Yoda 氏のプレイがスタート。ボーカル入りのメロディアス・トラックを中心とした選曲を聴いていると、自然と顔に笑みが浮かんでくる。フリーパーティーしかもトランスミュージックということで、満杯のフロアの半分は外国人が占めており、醸し出す雰囲気はまさにイビサ。思わずイビサの Cafe Mambo で夕日を眺めている空想旅行に飛び立ってしまった。Supercar 'Recreation-Satoshi Tomiie Mix' では、オーディエンスだけではなく Yoda 氏も一緒にサビのフレーズ 「空に舞うソウル」 を大合唱。「ハッピー」 という形容詞がピッタリなひと時だった。終盤に流れた'00年の大ヒットナンバー Planet Funk 'Chase The Sun' のアイリッシュ・ミュージックを彷彿とさせる切ないメロディーを聴いた途端、様々な想いが溢れてきて思わず目頭が熱くなってしまった。当初2時間セットの予定だったが、あまりの盛り上がりのため急遽プレイ時間を延長、5時近くまでフロアからクラウドが途絶えることがなかった。 トランスというジャンルを聴く機会が少ないため、今まで 「ヨーロピアン・トランス=キラキラ」 というステレオタイプなイメージを持っていた著者だが、今回の Yoda 氏のバレアリックなプレイを体験してトランスの印象がガラッと変わった。日本ではサイケデリックトランスの勢いに押され、あまり注目されていないヨーロピアン・トランスだが、本場ヨーロッパでは今なお人気が高いのが分かった気がする。無機質なミニマルサウンドばかり聴いていると、知らず知らずのうちに心が堅くなってしまうのだろう。美しいメロディーラインそしてクリスタルな歌声に、胸が熱くなる瞬間が何度もあった。「半年に一度位はエモーショナルなパーティーに遊びに行きたい」と思えるハートウォーミングで素晴らしいパーティーだった。 | |
関連リンク
Yoda Official Site
TR Project Official Site
Bar & Dining VANO Official Site