HigterFrequency パーティーレポート

ENGLISH PARTY REPORT

HOLIC presents DJ PIERRE, ARGY @ EAST VILLAGE
LONDON REPORT

DATE : 02 April, 2010 (Fri)
Line up
Downstairs : HOLIC
DJ PIERRE, ARGY, STUART PATTERSON, JUNKBOXX and TOMOKI TAMURA
Deco Lounge : Disco Deviance
PETE HERBERT, DICKY TRISCO ,COSMIC BOOGIE ,THE ZOOP AGENDA ,DUBBY

Photo & Text by Takahiro Nakayama




十字架にかけられて死んだイエス・キリストが復活した事を祝う日 「イースター」。
キリスト教徒が多いイギリスではキリストが生まれたクリスマスの次に大切な国民の祝日である。
イースターは金曜日から月曜日まで祝日が続くので、早い話が日本のゴールデンウィークみたいなもの。
そんなイースターホリデーの2日目でグッド・フライデーと呼ばれる金曜日に EAST VILLAGE で HOLIC が開催された。

この日は連休中という事で17時に EAST VILLAGE がオープン。
今月のゲストDJにはシカゴよりアシッドハウスの開祖 DJ PIERRE と、Porker Flat や Cocoon からヒット曲を飛ばし続けている ARGY。
セカンドルームである Deco Lounge では最近ロンドンで人気のパーティー Disco Deviance がホストを務め、早い時間のラウンジでゆるい Disco や Funk, Soul を織り交ぜて気持ちよくお酒がすすむ空間を演出。

ラウンジが混雑し始めた21時、地下のメインフロアがオープン。
メインフロアのオープニングのDJを務めるのは Junkboxx。まだラウンジでチルアウトしている人も多く、フロアがオーディエンスで埋まりだしたのは EAST VILLAGE のミュージック・ダイレクターである STUART PATTERSON のプレイが始まってから。
ウォーミングアップを兼ねたBPMが遅めのトラックから始まり、オーディエンスが増えはじめると徐々にアップビートなトラックを混ぜつつフロアの雰囲気をキープ。ほぼ毎週末 EAST VILLAGE でプレイしているだけあり、ボリュームコントロールやミックスの技術はさすがの一言である。


フロアに移動するスペースがなくなり始めた24時に DJ PIERRE がスタート。
DJ PIERRE はいきなりドロドロにアシッドなトラックをドロップしてフロアの雰囲気を完全に掌握する。
最近の DJ PIERRE はアシッドハウスだけではなく、商業的な要素の強いポップなプレイもすると噂で聞いていた。なので今回はアシッドセットで事前にお願いしていたのだが、あまりにも期待どうりの選曲に興奮を隠しきれず写真を撮りながらも無我夢中に踊る。
アナログシンセシンセサイザーの音が大好きな筆者にとって、アシッドハウスのトラックを始めて聞いたときの衝撃がもう一度甦った。
TB-303を使用して作曲されたオリジナルのアシッドハウスや、ミキサーのフィルターやEQを駆使して音色変化を強調した最近のトラックが次から次へと飛びだしてきて、フロアのオーディエンスも DJ PIERRE も絶好調。

気付けば一瞬で一時間くらい時間がすすんでいる事に驚き、さすがアシッドハウスの父と感心していると徐々に選曲にトゲがなくなり始めた。
商業的な要素の強い選曲に変わり始め、Tim Deluxe の 'it just wont do' などをプレイ。
個人的にはテンションが少し下がってタバコを吸う為に一度外へ。喫煙を終えてフロアに戻る階段の途中からTB-303の音が聞こえてきた。
この数分でなにが起きたのかは謎だが大事な瞬間を見逃した気がした。

最後の30分はまた奇抜でサイケデッリクなアシッドの音がスピーカーから止む事はなく、Lil Louis の 'French Kiss' でオーディエンスを盛り上げて ARGY にバトンタッチ。
音楽史に名を刻む偉大なプロデューサーを語るには不適切かもしれないが、DJ PIERRE は典型的なノリのいいアメリカ人のおっさんでサービス精神が旺盛な人だったのでプレイスタイルも人柄を表現していたのかもしれない。


そんな DJ PIERRE と対照的なプレイを聴かせてくれたのがギリシア出身ベルリン在住の ARGY。
若手プロデューサーの中でも抜群の楽曲センスを誇る実力派で、2、3年前まではロンドンに住んでいたらしい。
彼は2時間のセットの為に恐ろしい量のレコードをベルリンから持ってきてくれた。
スペイシーでディープなテックハウスから、ハウスクラシックまで幅広く選曲。レコードを一枚、一枚と丁寧にミックス、彼の楽曲からも感じられる美しい世界観を演出いていく。その抜群のミックススキルにはただただ驚くばかりで、レコードを楽器のように奏でて曲が変わる度にフロアは盛り上がり加速する。
音楽に対する真摯な気持ちと幅広い知識がないとできない技だ。自身の曲をレコードでプロモーションしているところも憎い。

ひたすら踊りながら ARGY の手元を見て感心していると、EAST VILLAGE のダイレクターの一人がテキーラとショットグラスを持ってDJブース横に現れた。想像もしてなかったタイミングでテーキラ祭りがスタート。筆者はテキーラよりイエガを好んでショットするタイプなのでテキーラは得意ではないのだが、渡されたショットを下に置くほど無礼者でもないので、ありがたくテキーラを数杯いただく。
かなり酔いがまわり始めた3時30分に HOLIC レジデントDJの TOMOKI TAMURA がスタート。


1階の Deco Launge が3時で閉まった事もあり、フロアにはまだまだ人がたくさんの残っていた。
筆者もテキーラが効いたのか、10時間くらい EAST VILLAGE にいて疲れが一回転して吹っ飛んだのか最後の1時間は恐ろしく飲んで踊った。Tomoki は得意の自身の楽曲を中心にオーディエンスをグイグイと引っ張るプレイで週末を思いっきり楽しみたいフロアの興奮は絶頂へ到達。
最後にはクラブ中で喧嘩(女同士)があったりとハプニングもありながら、狂気の宴は続き朝の5時。
無事に大盛況で12時間にわたるマラソンパーティーは終わりを迎えた。


荷物をまとめて明るくなったクラブを出ると外は大雨。
土曜日の朝の狂った人たちが集まる事で有名なアフターパーティー Red light @ Aquarium で朝からDJする Tomoki Tamura をクラブの前まで見送りクラブ中には入らず帰路へとついた。





関連記事


関連リンク