DATE : 18 April 2009 (Sat)
SPECIAL GUEST DJ : Trentemoller (Tic Tac Toe Records, Poker Flat Recordings, Audiomat)
GUEST DJ : Aldrin
DJ : Mike MacKenna (Discoscience), Kenji Marui (Beat Park), Kiccolee, Koichi Sato (Crosscounter, 06, Pure House)
PHOTOGRAPHER : Hal
TEXT : Terumi Tsuji
デンマーク・コペンハーゲン出身の気鋭 DJ/プロデューサー Trentemoller が遂に日本に初上陸!'06年にSteve Bug 主宰の Poker Flat からリリースされたデビューアルバム 'The Last Resort' では、深い森の中にいるような美しくストーリー性豊かなサウンドスケープで世界中に一躍名を轟かせ、Royksopp、Moby、Pet Shop Boys、Booka Shade、Depeche Mode などのリミックスワークでは、フロア向けのダンストラックも披露。「ダウンテンポ?アップテンポなダンスチューンまで自由自在に操る彼だけに、DJ としても幅広い選曲で楽しませてくれるに違いない」という期待を胸に、Onzieme へと向かった。
当日はオーガナイザーMike MacKenna のバースデーだっため、いつもにも増して外国人が多く、まるで海外のクラブに遊びに来たようだ。フロアではシンガポールのトップクラブ Zouk のレジデント DJ、Aldrin がプレイ中。ドレッドヘアにネオ・チャイニーズなトップスというオリエンタル風貌とは裏腹に、ヨーロッパのビッククラブを彷彿とさせるようなテックハウスを次々とプレイしていく。日本ではまだ知名度は高くないが、これまでにドイツの名門クラブ Cocoon や Space Ibiza、Renaissance など数々のビックパーティーに招聘されており、また UK のダンス誌 Muzik では「世界有数のレジデント DJ」と評価されるほどの実力派 DJ。世界中のクラバーを沸かせて来た彼らしく、ダイナミックな選曲でフロアーをコントロールしていく。ベースがしっかりしていて、けしてアッパー過ぎないテックハウスに著者もすっかり心を奪われてしまった。DJ ブース後ろのバーカウンターから見るフロアーは、ヨーロッパのビッククラブさながらの盛り上がり振り。ゴージャスな Onzieme には、Aldrin のように「パーティー感」を出せる DJ が良く似合う。シンガポール Zouk に遊びに行ってみたいという気持ちになるくらい洗練されて貫禄のあるセットだった。 そして本日のメインアクト Trentemoller がブースに登場。Aldrin のラストチューンにエフェクトを掛け、Trentemoller 節に変身させた。Aldrin の見事なプレイと Trentemoller のエフェクト使いにオーディエンスから拍手が沸き起こったところで一旦音を止め、Trentemoller のセットがスタート。のっけからアップテンポなトラックの連続に少し戸惑いつつも、CDJ をドラムマシーンのように操り、またミキサーを楽器のように操作するテクニックに釘付け状態。DJ というよりは、もはやライブに近いセットだ。アッパーチューンも悪くはないけれど、Trentemoller っぽい音も聴きたいと思ってた矢先に流れて来たのは彼自身の大ヒットチューン"Moan"。前半は浮遊感溢れるオリジナルをそのまま活かし、そして中盤からはお得意のエフェクト捌きが炸裂。1曲でここまで静と動のコントラストを付けれるのは流石の一言。トラック終了後またしてもフロアからは拍手喝采、Trentemoller も胸の前に両手を併せオーディエンスに応えた。そこからはパーティーモード全開、エレクトロやロックまで飛び出すハッピーなセットにオーディエンスは狂気爛漫。"Moan"で燃え尽きた著者は、清々しい気分でフロアを後にした。今回の「06」は、クオリティーの高い音を求めてクラブに行くことにマンネリ化を感じ始めていた矢先に出逢えた本当に素晴らしい「パーティー」だった。クラブ遊びならではの楽しさ、そして醍醐味を再確認できた貴重な夜となった。 | |
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