international news_2009.09.16
Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen
パリで最も影響力のあるパーティーのひとつ Respect Is Burning は、セーヌ川にて Concorde Atlantique と呼ばれる船を会場に行われているが、近隣に住む人々の騒音に対する苦情により、現在新たな移転先を探している。
9月2日に開催された 『閉店パーティー』 に先立って行われた Skrufff とのインタビューで、プロモーターである Frederic Agostini と David Blot はこのように語っていた。
「8年間にも渡る裁判や警察への通報の結果、近隣の金持ちの人たちが僕たちに勝利したってことだね。もう船の甲板にはサウンドシステムさえ乗せちゃいけないし、船の中のシステムも102デシベルまでしか上げちゃいけないって制限されてる。また、ドラムやギター、アンプを使ったライブも禁止されてしまってるんだ。」
1996年、伝説的なパリのゲイクラブ Queen を舞台にスタートした水曜日夜のパーティー (当時 Ivan Smagghe により Respect と名付けられた) は瞬く間に成功した。フランスのフィルターハウス界の最高峰、Daft Punk や Motorbass がまだパリに家を構えていない時代から彼らをブッキングし、クラブは栄え続けた。そして、99年、同クラブは 「狂気から抜け出すため」 と閉店を迎えた。
その後3年間、世界中でパーティーを開催し (中には雑誌 "Playboy" の創刊者 Hugh Hefner の所有する The Playboy Mansion にて開催された回もあった)、2002年からは船上パーティーを開始。フランスのハウス界に新たな風を吹かせた。
この騒動の中、David は船上で行われる閉店パーティーをさぼど重要視していないという。
「まず最初に、Respect Is Burning は終わるわけじゃない。ただ、今シーズン水曜日にパーティーが行われるのが最後っていうだけだ。僕たちは他にもニューヨークの Rivington Penthouse でパーティーを開催するし、9月5日には Tiga, Busy P や Yuksek と共に Electric Zoo Festival で Respect のパーティーを開くんだ。」
パリでのパーティーが再度開催される可能性はあるのか?という質問に対し、David は 「それは誰にもわからない。」 と答え、パリの警察や政府がクラブに対して曖昧な態度を示していると語った。
「これらの騒音に対する規制は年々厳しくなっていってる。今じゃ何千人の人たちが楽しんでいるクラブを経った一人の近隣に住む人間が閉鎖に追い込むことができてしまうんだ。フランスは営業時間についてはすごく寛容的だよ。だけど、騒音に対しては苦情が絶えないんだ。」
David いわく、この8年間を振り返ってもセーヌ川に落ちた人は一人も居なかったが (たった一人 Ed Banger のパーティーで川に飛び込んだ人はいたが)、それ以上の事態が発生したことも何度かあったという。
「一度 DJ Harvey が酔っぱらいまくって、同じ曲を何度も何度もプレイしたことがあったんだ。DJをせずにオーディエンスに混じって踊りに行ったりしてた。最終的に彼はブースの上に転がって、ミキサーを壊したんだよ。あれはすごく面白かったね。先週のパーティーもすごく楽しかったよ。DJブースで大げんかがあってね…(笑)」
また、フランス国内で定説となっている 『パリ人は野蛮だ』 という偏見について彼はこのように意見した。
「パリ人が他の地域の人達よりも野蛮かどうかなんてわからないね。自分自身がフランス人だと判らないよ。パリ人が列に並んで待つことを知らないっていうのはまぎれも無い事実だけど、それはまた別の話だよね。フランス人はとにかく無料のものが好きなんだ。だからほとんどのパーティーが無料エントランスで、ドリンクの値段が高く設定されてるんだ。どうにかしてお金を稼がなきゃいけないからね。」
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