international news_2009.09.02
Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen
UKのレイヴ系パーティープロモーターである Fantazia が来月、UV(ブラックライト反射)の服を着た人たちを一カ所に集めて、ギネスブックの記録を更新しようとしている。
この伝説的なレイヴ団体は9月26日にグラスゴーで開催される彼らのイベント "Ultimate UV Glow Show" にUVを着たレイバー達を動員しようと試みている。
「ショーのコンセプトはオーディエンスが照明効果の一部になるところなんだ。」 と Charlie Fantazia は Skrufff に語った。
「何故そんなことをやるかって?僕たちは今までUKでもトップクラスの規模のレイヴを開催してきたけど、メディアの注目を浴びることはなかったんだ。だけど、そろそろレイバーが注目されても良い時じゃないかと思ってね。そうすれば、Mixmag も今のこのハードコア・レイヴシーンを永遠に忘れられなくなるだろうと思うから。」
彼はこの試みがメディアの脚光を浴びることに期待しているが、現段階ではイベント当日にはあまりジャーナリストが集まりそうにない見込みであり、彼はジャーナリスト達を 「読者の求めているものを完全に見失っている。」 と批判した。
「そんなジャーナリスト達が Fantazia に来て溶け込めると思う?無理だろうね(笑)。多分、彼らはクールに装うのに必死でレイヴを作り上げるスピリットを感じられないまま終わると思うよ。彼らはレイヴの素晴らしさを作り上げる要素を知らないか、もしくは理解さえしていないんだよ。そのわりには Nu Rave がブレイクするってはやし立てたのは彼らだった。Nu Rave?あんなの実際のレイヴとは何の関係も無いじゃないか。」
しかし、メディアからの反応はよそに、Charlie はこのギネス記録更新計画に真剣に取り組み、既に先のことを議論し始めていると言う。
「イベントの数週間前にパーティーに参加するための条件を告知する予定なんだ。現時点で決まっていることはグロウスティックだけでは入れないってことだね。」
「最低でも帽子や小物はUVのものを身につけてもらいたいね。このイベントに参加する人のほとんどは普段からそういう服を着てるから、残りの人たちもUVを着るように働きかけることが大切だと思っているよ」
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Skrufff (Jonty Skrufff) : 最近 Sunday Times にUVの服はイビサの去年の流行だって書いてあったけど、Fantazia にとって流行っていうのはどれぐらい大事なのかな?UVが流行遅れになっていることに関して思うことはある?
Charlie Fantazia : 僕は、レイヴは逆にイビサの流行にも影響を与えるものだと思ってる。レイヴはファッションじゃないし、僕たちは最先端の流行も狙ってないんだ。レイバー達にとって大切なのは外見じゃなくて、コミュニティーに対する帰属意識と自己表現なんだよ。たくさんのレイバー達が、服にスマイリーフェイスをつけたり、メッセージを書いたりして自分仕様にしてる。それはパーティーを楽しむためのオシャレなんだ。明るい服やグロウスティックはいつでも彼らの求めているものにマッチするんだよ。
Skrufff : このギネス記録更新の計画はUVの商品を売るためのマーケティングだっていう批判があるけど、これについてはどう思う?
Charlie Fantazia : 過去4年間を振り返って、このクラブでパーティーをするのは8度目になるんだ。Fantazia はもともと、国中の色んな場所を点々としながらパーティーをすることで知られてる。だけど、規制がどんどん厳しくなって、それが今やレイヴにも適用されるようになった今、自分が気に入っている同じクラブでパーティーを開くことの方が簡単になったんだよ。Braehead Arena は今まで僕たちが使ったクラブでも一番だしね。けど、同じクラブを使うようになったからには、イベントをもっと楽しく特別なものにするために色んな工夫が必要になったんだ。今でもたくさんのレーザーを使ったり、ビデオスクリーンを使ったり、50個以上のライブを用意したり、色んなダンサーや出演者を起用したりしてる。だけど、今まで思いつかなかったのはUVによるライティングだったんだよ。既に、最低でも70%のオーディエンスがUVの服を着て遊びに来てるけど、これこそパーティー自体に加えれば面白くなる要素じゃないかと思ったんだ。みんな自分の着ている服に力を注いでるんだから、それに着目して記録を更新するっていうのは面白いと思ったんだよ。
Skrufff : 何故君のシーンはメインストリームからの注目されないんだと思う?
Charlie Fantazia : 僕たちのシーンが、メインストリームから後ろ指をさされていることはわかってるし、メインストリームの人たちは、彼らのシーンはすごくかっこ良いけど、僕たちのシーンは右肩下がりだって思っているのも気づいてる。だけど彼らは、僕たちのシーンに新しい世代が既に誕生してて、新たなアーティストやプロデューサー、DJ達が新しい音楽を作り出しているってことに気づいていないんだ。そして、新しいアーティスト達には元々のシーンには触れたことのない新しい世代のファンが付いてる。その世代っていうのは16歳から24歳で、どんなジャンルであれ今後の音楽シーンの未来なんだよ。元々のハウスシーンのファン達はもう大人になって、子供もいて、外出することも少なくなってる。だから Fantazia や Slammin Vinyl / Hardcore Heave, HTID が今UKで最も大きいショーを開いてるんだ。Gatecrasher, Godskitchen や Ministry of Sound はそれが出来てないよね。彼らも時代に適応する必要があると思うよ。
Skrufff : アメリカの麻薬取締局は、グロウスティックはドラッグを楽しむために使われるって言ってるけど、その2つには一体何の関係があると思う?
Charlie Fantazia : アメリカの人たちの言ってることに耳を傾ける必要があるのかわからないね。あの国の大半の人がダーウィンの理論を学校で教えるのは禁止された方が良いと思ってて、レイヴをする人間を殴り倒す上に、ダンスすることを禁止する。自由の国にしてはおかしいよね。ドラッグを楽しむために使う道具だって?じゃあ、子供達にもハロウィーンのパーティーを禁止したらいいんじゃないかな?暗闇で光ってるものはキレイじゃない?それはわかるはずだよ。一年に一回ぐらい子供心を取り戻してみてもいいじゃないかな?
Skrufff : UVの服の着用を義務づけることでドラッグ使用を誘発することに関しては心配してないのかな?
Charlie Fantazia: あんまりだね。Braehead には厳重なセキュリティー体制が用意されてるし、僕たちが開くイベントには絶対に警察のチェックが入る。もうこういうイベントはドラッグをするためのものじゃないんだよ。これは人と交流をして、一緒に楽しむための場所なんだ。たった一晩だけ、変な目で見られることなく奇抜な服を着ていい日なんだよ。
Fantazia のギネス記録更新イベント、Ultimate UV-Glow Show はグラスゴーの Braehead Arena & Waterfront にて9月26日に開催。詳細や服装については以下のURLをチェック。
http://www.fantazia.org.uk/cyberwear/index.htm
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