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international news _ 2006.09.19

メキシコのクラブでの血まみれ惨劇

Text by Jonty Skrufff _ Translation by Terumi Tsuji

先週の水曜日、メキシコのクラブに覆面を被った武装グループが押し入り、銃撃を始めた後、ダンスフロアーに生首を5つ放り投げるという事件が起きた。現場には「我々は金のために殺戮はしない。女そして罪無き者を殺める事もしない。死に価する者にのみ天罰を下す。これは神聖なる正義である」と書かれたメモが残されており、エスカレートする麻薬カルテル抗争絡みの事件だと見られている。

なお、今回の悲劇はウルアパンにあるクラブ Light and Shadow で起こったが、同市では先日「セタス」と名乗る麻薬密売ギャングがライオンに人質を喰わせた事件も報じられている。

ちなみに、イギリスの DJ Steve Lawler は1年半前、グアダラハラのクラブでプレイ中にオーナーからのリクエストを断った所、様子がおかしくなったので、ガールフレンドとマネージャーを連れてクラブを去ろうとしたが、両腕を縛られ DJブースに連れ戻されたという経験を持つ。Steveは解放された後、次のように供述している。

「本当に恐ろしかった。もう二度とあんな思いはしたくないね。グアダラハラの人には申し訳ないけれど、あの街でプレイする事はもうないよ。あそこには二度と近づきたくないんだ」

一方、Flesh Records のオーナー Mark Reeder も、 Corvin Dalek と一緒にしばしばメキシコを訪れているけれど、一度も恐ろしい目に遭った事はないと Skrufff に語っているが、「ただメキシコ・シティには独特の”絶望感”が漂っていて、夜には物悲しさが増すね」と付け加えている。

「Corvin と初めてメキシコに行った時のことだよ。到着して15分ほど車を走らせると、8車線もある広い交差点に出たんだ。Corvin はだだっ広い道路や、周りのビル、それに映画に出てくる様なミラーサングラスにピチピチのズボンを履いた交通整備中の警官なんかをビデオに撮ってたんだ。そしたら、いきなりスモークを吐き出した馬鹿デカいオンボロのアメ車が、俺たちの前に飛び出して来たんだ。で、運転席に座ってた長髪でヒゲ面のラリった男が、警官に向かって罵声を飛ばし始めたんだけど、お巡りは彼の事なんか全く気にしてない様子だったよ」

さらにMarkはこのように続けた。

「そこに他の警官がやってきて、車の男にツバを吐いたのさ。その途端、その男は怒って車から飛び降りてきて、警官の顔にデカい45口径の銃を押し付けてそいつを膝まつかせたんだ。俺たちの運転手はすっかり怯えちまって、ハンドルの下に隠れちゃったよ。撃ち合いが始まる前に俺たちも隠れろってね。まるで映画のワンシーンみたいだったよ。アッという間に20人位の警官が飛んで来て、男を取り囲み、そいつの持っていた銃を振り落として、すぐさまパトカーに押し込んでどっかに行っちゃったよ。すぐに警官は元いたポジションに戻って交通整備を始めて、まるで何事もなかったように渋滞がなくなったのさ」

「5月にもメキシコに行ったけど、怖い目に遭うどころか、楽しい事ばっかりだったよ。きっとパーティーによるんだろうね。もしまたメキシコのパーティーに呼ばれたら、喜んでプレイするよ。メキシコは大好きさ!」

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