HigterFrequency DOMESTIC NEWS

ENGLISH OVERSEAS NEWS

soma

international news_2009.10.27

『クィア』 パーティーがベルリンに上陸

Text by Seb Mortimer (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen

Captain Kinky Pinky を主催するDJの Katya Gustafsson が、Skrufff とのインタビューでベルリンにて開催された当パーティーについて語った。今回のインタビューで彼女は、このパーティーは 『クィア』 パーティーであることを強調している。

スウェーデンやフランスでの数々のパーティーの開催を経て、スウェーデンのエレクトロ/エクレティックDJである Katya Gustafsson は、ベルリンを拠点とする The Henrik Maneuver (aka Henrik) と共に10月10日から Bang Bang にてパーティーをスタートした。

「Captain Kinky Pink は 『ゲイ』 パーティーじゃなくて、『クィア』 のパーティーなの。そして、私も、パートナーの Henrik も自分たちのことをクィアだと思ってるわ。クィアとは、異性愛者、バイセクシャル、レズビアン、ホモセクシャル、性同一性障害者、性転換者…どんな人だっていいの。ただ 『クィア(風変りな者)』 としての姿勢を持っていればね。だから私たちは自分たちのパーティーをゲイパーティーだとは思っていないの。クィアになりたい人は誰でも受け入れるわ。」

それに補足する形で Henrik はこのように語る。

「このパーティーは制限や隔たりのないものにしたいんだ。それは客層もかかる音楽もね。みんなが受け入れられるようなパーティーにしたいし、オーディエンスには自分に対しての制限をかけて欲しくないね。いろんな種類の人がオープンな気持ちで参加できる。そんなパーティーにしたいと思ってるよ。だから、このパーティーに参加して一緒に騒いでほしいね。ゲイでも異性愛者でも、その中間でも、関係ないからさ。」

「音楽は多様性のあるものにするっていうのが方針なんだ。参加するDJや出演者はみんなそれぞれの好きな音楽をプレイする。だけど、それが不思議なぐらいにマッチするんだよ。DJが立て続けにミニマルテクノをプレイし続けるよりはそっちの方が新鮮でしょ?そういうパーティーももちろん好きなんだけどね。僕は最低でも2ヵ月に一回は Berghain に行って、テクノやミニマルを体に取り入れることにしてるよ。」

一方、Katya は Berghain については曖昧な態度を見せた。

「ベルリンの一番有名なクラブはもちろん Berghain だけど、私にとってあの場所はどちらかっていうと観光客向けの場所って感じがするの。8ヵ月間ベルリンに住んでた時は定期的にあそこに足を運んでたんだけど、すごくメインストリームな感じがしてね。だけど、ベルリンのいいところは他にもアンダーグラウンドで良いパーティーがたくさんあったり、一回きりのイベントがどこにでもあるところね。たくさんのアーティストが世界中から集まってるから、その個性がひしめき合ってベルリンの街をすごく楽しいものにしてると思うわ。小さなバーやクラブを訪れて新しいDJを発見する度にすごくインスパイアされるわ。私はメインストリームよりももっとアンダーグラウンドに興味があるの。」

Katya と Henrik はスウェーデンでそれぞれDJ活動やイベントのオーガナイズをスタートさせ、その後 Henrik が先にベルリンへと移住した。

「僕は趣味だった、大好きなDJで生活をしていきたいと思ったんだ。そして、その可能性とマーケットがあったのがベルリンだった。何度か訪れる内にこの町に恋をしてしまったんだ。だからストックホルムの大学の仕事も辞めて、ターンテーブルとレコードを持って振り返りもせずにこの街へやってきた。もちろん最初は苦労したけど、半年後には僕のDJキャリアにも光が差し込み始めた。これほどDJだけをやって生活していくのに適した街はヨーロッパでもこの街ぐらいだと思う。ベルリンは家賃や物価も安いし、DJスキルに対する欲求も満たしてくれて、さらにそれなりの収入を得ることができる。DJにとっては夢のような街だよ。」

一方 Katya はストックホルムに拠点を置き続けている。彼女によれば、街によってクィアのシーンは明らかに異なるという。

「ベルリンのクィアシーンは大きくて、男性の比率も多いわ。スウェーデンのクィアパーティーの客層は30%が男性、70%が女性ってところね。クィアなのに、男性だとか女性だとか言う話をするのは少し不思議な話だけど、こうやって説明したほうがわかりやすいでしょ?スウェーデンのクィア達は色んなライフスタイルで生活してるわ。例えば、クィアの人の多くがフェミニストだったりね。スウェーデンのクィアシーンには 『ホモゲイ』 という言いまわしがあるんだけど、それはその人が普段は異性愛者的な生活をしてるけど、同性のセックスパートナーがいるってことだったりするの。クィアの人たちは心がオープンなのよ。」


関連リンク