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international news _ 2006.10.05

アメリカ野外フェスにおける過剰なドラック捜査

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Terumi Tsuji

6月にアメリカ・カンザス州で行われた Wakarusa Music Festival で、米国麻薬取締局(DEA)と州警察は、赤外線暗視カメラと高性能盗聴マイクを使用して5万人の観衆を監視していた事が、USメディアの報道によって今週明らかになった。

今回使用された製品は NS Microwave 社から提供されており、この夜間カメラとマイクを使えば会場の約85%をモニター出来るだけではなく、タバコを巻いてる姿までチェック出来たという。セキュリティー製品業界で多くのシェアを誇るNS社は、野外フェスとドラックの関係について次のように語っている。

「我が社のような製品を全ての野外音楽フェスティバルに導入するべきです。レイブ・ブームに陰り見えはじめた今では、野外フェスティバルが違法ドラックの巣窟となっているのです。大規模な野外フェスティバルに蔓延るドラック問題に終止符を打つには、このような措置を取るしかないのです」

地元の新聞によれば、今回の捜査によるドラック絡みの逮捕者は140人に昇るという。このスパイ行為とも言える”ビックブラザー(独裁者)”的捜査に誇りを持っている警察側に対して、 Wakarusa Festival のオーガナイザー Brent Mosiman 氏は「こんな卑劣な手を使うなんて誠に腹立たしい」と怒りを隠せない様子だ。今週 Mosiman 氏は、フェスティバルのホームページにこのような謝罪文を掲載した。

「Wakarusa Festival で警察によるスパイ行為が行われ、それにより皆様のプライバシーを侵害してしまったことを心よりお詫び申し上げます。今回の捜査に至るまでに、前もって警察から「今年のフェスティバルでは警備を例年よりも厳しくする」という連絡が届いておりました。ただ今回警備を増やすのは、フェスティバルの安全強化のためだと知らされており、そのような理由であれば私たちも警察に協力しようということになったのです。しかし彼らの本来のミッションは安全強化ではなく、ドラックの取締りだったのです」

「皆様にぜひともご理解頂きたいのは、私たちは今回の捜査に関して何も知らされていなかったということです。私たちは今回のような取締りを全面的に否定しており、これからも断固否定し続けて行く方針です。「今後このような捜査はけして行わない」という警察からの公約がない限り、Wakarusa Music and Camping Festival は開催いたしません」

今年の Wakarusa Music Festival ではガラージロック・バンドの Flaming Lips がヘッドライナーを務め、他にも Kenny Larkin や DJ SmooveがDJとして出演していた。

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