international news _ 2006.11.27
Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Terumi Tsuji
イギリスの2大新聞紙 Sunday Times と Observer は、「かつて人々がエレクトロクラッシュに飛びついたように、 次に流行るのは‘ニュー・レイブ’だ」と報じている。
Sunday Times のスタイル・セクションには『クレイジーな若者たちがクレイジーなファッションで世間を騒がすニュー・レイブ・ブームが到来!』という特集記事が掲載された。また Observer のスタイル・コンサルタントで、元Mixmag 誌エディターの Mr.Cool こと Dom Phillips は「スマイリーが戻って来た!」と宣言しており、次のような記事を書いている。
「Mr.Cool は先週‘ニュー・レイバー’に遭遇することに成功した。このミステリアスな集団は、顔にはカラフルな蛍光ペイント、そしてアシッドハウス全盛期に流行ったようなカートゥーン・ファッションに身を包んでおり、今やロンドン・ファッション界の注目の的だ」
彼はニュー・レイバーのバイブル的存在であるファッション雑誌 Super Super のエディター Steve Slocombe を 2P に渡る特集記事のアート・エディターに起用し、インタビューも掲載した。インタビューの中で、 Steve は皮肉を混じりにこう語っている。
「ニュー・レイブについては毎日のように考えてるよ。ただ UK メディアがあまりにもニュー・レイブについてはやし立てるものだから、周りの物全てがニュー・レイブに見えて来ちゃったよ。今では鉢植えさえニュー・レイブ・アイテムに思える始末さ」
1番最初にニュー・レイブをサポートしたのは、今や廃刊となってしまったスタイル・マガジン Sleaze Nation 誌の編集長で、 International Herald Tribune 紙にこのジャンルを紹介したと見られている。また Sunday Times は「かつてのエレクトロクラッシュ界のカリスマ、 Adamski と Boy George はこの新しい現象でも人気が出るだろう」と報じている。
それについて Steve はこのようにコメントする。
「これまでは新しいムーブメントは、1つ前と逆の方向に行く傾向にあったんだけど、ニュー・レイブは前の流行をも飲み込んでしまうんだ。気に入った物があれば何でも取り入れて、ニュー・レイブのエレメントにしちゃうのさ。このジャンルにはルールなんてモノは存在しないし、だからこそエキサイティングなんだ!」
多数のメディアがニュー・レイブに注目する一方、ロンドンのダンス・ミュージック雑誌 One Week To Live のクラブ・エディター Mark Edward は最新号の中でこう批判している。
「ニュー・レイバーに人気のクラブ Anti-Social で掛かってる音楽のほとんどは Black Eyed Peas や Lady Sovereing、 M.I.A といったポップスで、他のオーバーグラウンドなハコと大して変わらないよ。派手なメイクはしてみたいけど、普通のエレクトロポップが好きという人にはピッタリのクラブさ。でもそれ以外の人には決してオススメしないね」
Anti-Social のチーフディレクター Scottee はこの記事ついてあまり気にしていない様子だ。彼は「クラブの方針はメインストリーム・メディアからのサポートを獲ること」だと認めており、数ヶ月前には Time Out 誌このように語っていた。
「2年前に Anti-Social をオープンさせたと同時に Yr Mum Ya Dad という名前でDJ活動も始めたんだ。僕たちは『アンダーグラウンドはオーバグランドへ』をモットーに、世間をアッと言わせたいのさ。ニッチでマイナーなモノを求める人も多いけど、僕たちは Anti-Social を人気スポットにしたいんだ。色んなジャンルがクロスオーバーする普通の場所にね。それを格好わるいと思う人もいるかもしれないけど、気にしないよ」
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