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international news _ 2006.11.08

NY の老舗クラブ CBGB がクローズ

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Terumi Tsuji

パンク発祥の地として知られるNYの老舗ロック・クラブ CBGB が、先週30年近い歴史に幕を閉じた。‘70年代前半にマンハッタンの下町バウニーにオープンして以来、 CBGB はアートや音楽の中心としてニューヨーカーたちに深く親しまれていた。 NY のフリーペーパー Village Voice 誌のクラブ・エディター Trish Romano は残念そうにコメントする。

「 CBGB ほど前向きにアートやカルチャーを受け止めてくれるクラブは他になかったし、今後も現れないでしょうね。 CBGB 無しでは Ramons や Television、 Blondie、 Taking Heads もここまで人気者になってなかったと思うわ。仮に今 CBGB をオープンさせようとしても、実現するのは難しいでしょうね。この地域は既にクラブやバーで溢れているし、住民からは騒音や(タバコを吸うために)道にたむろするクラバーに対して間違いなく苦情が来ると思うわ。そして警察は風営法など楯にして、クラブのオープンを阻止してくるでしょうね」

また Talking Heads そして Tom Tom Club のメンバーである Chris Franz と Tina Weynouth はこのように語っている。

「 CBGB が無ければ、 Talking Heads、 Ramones、 Blondie、それに Television は生まれてなかったはずさ。CBGB ではプレイする度に素晴らしい経験が出来たし、あのクラブを通じて1つの時代が作られてるって感じだったよ。こんな最高の場を提供してくれたオーナーの Hilly Kristal には感謝の気持ちで一杯さ」

一方 Hilly Kristal は、‘02年に行ったインタビューで次のように話していた。

「 CBGB ではパンク以外にも様々なジャンルの音を提供してるつもりだよ。ジャンルの捉え方は人それぞれだし、Talking Heads をパンクだと思ったことは1度もないよ。 Mike De Villa や B52 は明らかにパンクじゃないし、彼らは自分達の音をニュー・ウェイブって呼んでたよ。僕たちは Talking Heads の様なサウンドを”アート・ロック”って呼んでたんだ」

Hilly は過去を振り返ってこう語る。

「Clash と Sex Pistols をブッキング出来なかったのは今でも悔やまれるよ。 Clash のメンバーはよく店に遊びに来てくれてたんだ。Johnny Lydon は Pistols の解散後、2週間毎日のように遊びに来てはカウンターに座ってたよ。 Sid Vicious も遊びに来たけど、何度か追い出したことがあるんだ。彼には Vicious (邪悪)という名前がピッタリさ。彼は困ったヤツだよ」

CBGB のホームページでは「近い将来にクラブを再オープンする予定」だと伝えられており、最も有力な候補地はラスベガスだと見られている。また Prince もラスベガスにあるトップレス・バー Club Rio を買い取って、新しいクラブをオープンさせる予定だという。

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