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international news _ 2006.11.02

UKのスーパー・クラブ“死にゆくダンス・シーン”のため立ち退きへ

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Kei Tajima (HigherFrequency)

イギリス南海岸のイベント・オーガナイザー Slinky が、新しいイベント開催地を探していることが明らかになった。その理由は、彼らが10年間イベントを行ってきたボーンマスのクラブ Opera House のオーナーが、会場を“ビクトリア朝風の”コメディー・クラブにすることを発表したためだと言う。

「これで一つの時代が終わったわけだけど、僕たちは新しくてより良いものに期待を寄せているんだ」クラブのオーナー John Butterworth は地元の新聞 Dorset Echo に語った。

「クラブ業界は死に行くビジネスだよ。新しい飲酒許可法によって、ダンス・シーンは変わってしまったのさ。今までは、11時以降はナイトクラブでしかお酒が飲めなかったからみんなクラブに来ていたんだ。でも今は違う」

Slinky の代表者は Skrufff に対し、クラブを去ることは非常に残念だが、彼らのビジネスは目下、ワールド・ツアーやコンピレーション、レコードのリリースなどで変わらず繁盛していると語り、飲酒許可法によってクラブが危機に陥ることはないと断言した。

「もちろん、夜どこかに出かけるとして、10〜15ポンドの入場料を払って3時までクラブにステイするか、入場料タダのバーに3時までいるかを選ぶとしたら、経済的な理由でバーに行くことを選ぶ人は出てくるかもしれないね」

「でも Slinky や他の Hed Kandi のようなブランドのパーティーに行くような人たちは、もっと他の理由でクラブに行くことを選んでいると思う。自分たちと同じ音楽を好きな人々と“自分たちの”音楽を聴くためなら、お金を使っても、例え会場が遠くてもわざわざ足を運んでくれるんだ」

「巷には注目されているDJ のプレイを生で聴いてみたいっていう人はたくさんいるんだ。それって、本物のバンドを見るのと、そのトリビュート・バンドを見ることが違うのと同じことで、確かに同じ曲は聴けるかもしれないけど、それより大事なのはその人が本物であるっていう事実と、その本物のアクトが持つ特別な要素なんだよね」

Slinky のレギュラー・ゲスト Judge Jules はこの件に関して同情的な様子であった。

「僕が考えるに Slinky は常に高い評価を受けてきたクラブだよ。でも常に災難に遭ってきたクラブでもあるんだ」

「他のいわゆるスーパー・クラブのイベントが土曜日に行われているのに対して、Slinky は金曜日に行われているし、町の中心から離れた場所で開催されている。でもすぐに新しい開催地を見つけられると思うよ」

このような Jules の意見と同様に Slinky も前向きな意見を述べており、Butterworth 氏に対しても寛容な態度を見せた。

「これからOpera Houseを内装工事するみたいだけど、いいアイデアだと思うよ。Butterworth 氏のお墨付きのコメディーやミュージカルなんかも是非観てみたいね」

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