international news _ Jonty Skrufff _ 2004.11.22
来年1月に待望のニューアルバムを発売することになっているThe Chemical Brothersが、同アルバムからファースト・シングルとしてカットされる"Galvanize"のプロモ・コピーをいよいよ今週から配布し始めた。この "Galavanize"もカップリングとして収録されている"Rize"も、アシッド・ハウス直系の太いビートは相変らず健在であるものの、最近の彼らの作品と比べると明らかにテンポが遅く、どちらかと言うとヒップホップ色の強い作品に仕上がっていると言われている。
メンバーの一人であるEdがSkrufffに数ヶ月前に語ったところによると、彼らは最近Black Strobeの片割れであるIvan Smaghheからインスパイアを受けているようで、その影響を次のように認めている。
「最初にエレクトロ・クラッシュのシーンがスタートした時には、これは俺達のサウンドじゃないなぁと思ってたんだけど、近ごろ何回かダンスフロアーでそのサウンドを耳にするにつけ、この音楽がすごく上手くワークしていて、楽しくかつエキサイティングでドラッギーなものだってことに気付いたんだ」
またEdは、彼らが近い将来に落ち着いた感じのサウンドへシフトしていくようなつもりは全くないことを次のように強調している。
「俺達が作ろうとしている新しい音楽は、ハードで歪んだものさ。幾つかの曲はメロディアスだったりするけど、俺達は最初のEPをリリースした時からずっと、ハードなトラックだけじゃなくて、柔らかで美しいそして空気のような雰囲気を持った音楽もつくりたいと思ってきたからね。例えば"Electronic Battle Weapon 6"みたいにメンタルなアシッド・グルーブを持った作品を出すと、俺達がトーンダウンしてエルダー・マーケットを意識しているんじゃないか、なんて言われるけど、それは全く間違った考え方だよ」
しかし、このChemical Brothersの強烈なカムバックは、最近かの「ダンスミュージックは死んだ」とのコラムを寄稿して物議を醸している英ガーディアン誌のAlexis Petridisの同僚でもある評論家Caroline Sullivanをちょっと困った立場に追い込んでしまうことになりそうだ。何故なら彼女がこの夏に書いた論調は次のようなものだったからだ。「Chemical Brothersは完全に消滅。Underworldは何とか生きながらえている。Basement Jaxxが恐らくは最後に残った90年代の大物アーティストだろう」
しかし、その2週間後、Chemical BrothersはCreamfiledsでヘッドライナーを務めている…。
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Text by : Jonty Skrufff _ Translation by : H.Nakamura (HigherFrequency)
Photographer : Tom Sheehan
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