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international news_2009.05.20

ニックネーム(名義)を持つDJ達

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen

複数の名を持つイギリスのプロデューサー Dave Lee が作り出した数々のニックネームの中でも、最高のものがあるとすれば、それは "Joey Negro" であろう。彼はこの名前を 「ヒスパニックのストリート・キッド」 に成り済ますために使用していると語った。

大きな成功を納めたこのディスコ・ハウス界のスターは20年のキャリアの間に他にも Jakatta, Raven Maize, Akabu などの名前を使用したことで知られている。しかし、中国のポータルサイト The Beijinger では多くのニックネームを使用したことを後悔していると話している。

「昔はレコード屋に並んでいて、人の目を引くような名前を使うようにしてたんだ。だから、Dave Lee っていう名前はあんまり興味をそそるような名前じゃないと思ってた。けど、最近では Dave Lee 名義でいくつか作品を発表してるんだ。」

「なんでそうしたかっていうと、何年間も色んなニックネームを使って来て別にメリットは無かったんだよね。」 と語る。そして、何故 Joey Negro という名前を長期に渡って使用しているのかについても説明した。

「新しい名前を思いつくっていうのはすごく難しくてね。昔は名前を思いつくのに必死になっちゃってたんだよ。」

UKのテックハウス・プロデューサー Henry Cullen はアシッド・テクノ界の D.A.V.E. The Drummer として最も良く知られている。彼も Dave Lee の考えには賛同するが、それでも新しい名前を使用し続けると言う。

「オレは音楽のジャンルの幅を広く持ちたいから、新しい種類の音楽を作る度に別の名義を使うっていうのは論理的だと思うんだ。新しい名義でリリースする度に新人に戻るのと一緒だからプロモーションは大変になるけどね。だけど、大体最後には僕のメインの名前を使っていることが多いね。例えば以前、Halo 名義で Chris Liberator と一緒にコラボをやって、Eukatech から2枚のアルバムを出したんだけど、結局そのアルバムが売れていないって気がついた時に "Chris Liberator and D.A.V.E. the Drummer" っていう名前をジャケットのステッカーに載せたんだ。マーケティングの手法っていうよりはクソみたいな話だけどね。(笑)」

「面白いことに、今となってはみんな僕の他のニックネームを知ってるんだ。それで思うんだよね。 『それってなんか意味あるのかな?全部 D.A.V.E. the Drummer でいいんじゃないの?』 ってね。だけど、皮肉なことに唯一みんなの注目を引かなかったニックネームがあるんだ。それは僕の本名なんだよ!今まで Henry Cullen って誰だよ?って思ってたヤツ!僕だよ!すぐにレコードを買ってこい!」

最近になりフランス・アンダーグラウンドのエレクトロ?テック界のスター Lady B は彼の本名である、Bruno Gauthier をレコードへ記載し始めた。その理由は実にシンプルで、ドラァグ(女装)を身にまとったもう一人の彼、Lady B と彼の作品に参加している新しい女性を勘違いされるのを防ぐためだと言う。

「僕は Lady B のイメージを崩したくないんだ。だって "Lady B" は音楽業界の市場のゲームには属さない反主流主義だし、商業的なマーケティングなんかには反対なんだ。実際彼女には 『イメージ』 というものは存在しない。90年代に彼女はドラァグの格好をして、デトロイトのアンダーグランドテクノだけをかけていた。だけど、今は彼女はメジャーなエレクトロのヒットをURのハードコアな曲と一緒にかけることもできれば、ドラァグの格好をする必要だってないんだ。最近ではみんな 『イメージ』 を大切にしているけど、彫刻家の Christrian Boltanski も言ってたように 『芸術家の表面的な作品を見るのではなく、その考えに目を向けることが大事』 なんだよ。」

1993年に同じ名前のテクノ・バー/レストランを開いた当初、Bruno は自分自身を Lady Barbarella と呼んでいた。しかし、Laurent Garnier の F Communication と契約した際に Sven Vath の当時のアーティストネームである Barbarella とかぶるのを避けるために Lady B に省略したと言う。

「僕からアドバイスをするとすれば、もしアートの世界で市場主義の犠牲になりたくなかったら、とにかく自分のやりたいことをやって出来る限り自分に正直でいることだね。」


今後リリースを予定している予定の Bruno Gauthier 作品 :
Interferences から Lady B "Immidiate Thoughts Volume 2"
Musique Moderne から Thee Acid Bitches "Connected ep"
Classic Recordings から Bruno Gauthier & Magda Zagba "It's Love"

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