international news _ 2007.05.02
Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Terumi Tsuji
ロンドンのデジタル・ダウンロード・サイト Trackitdown は、先日4/21にロンドンのクラブ Turnmills
にて、同サイトで楽曲を配信しているアーティストをフィーチャーした3周年アニバーサリー・パーティーを開催した。Trackitown(TID)
は‘04年のサイト・スタート以来急激な成長を遂げており、現在では毎週3000曲以上の楽曲をリリースする人気サイトとなっている。TID の主宰者
Nolan Shadbolt は、こう話す。
「ビジネスが大きくなるにつれ物事は複雑になってきているけど、ビジョンはスタート当時と変わってないよ。『良い音楽を追求し、お客さんを幸せにする』それだけさ。今僕らが一番力を入れてるのは、各ユーザーに合ったコンテンツを提供することなんだ。新しい音を探すのって面倒だし、時間もかかるだろ。そこで最新バージョンの
TID では、各ユーザーの過去の購入トラックやお気に入りレーベルのデーターを元に、オススメのトラックを紹介するようにしたんだ。言ってみれば、デジタル・ショップにショップ・スタッフがいる感じだね」
TID ではお薦めトラック紹介以外にも、昔はレコードショップのメイン・バイヤーにしか出来得なかったような機能も追加していくということだ。
「オンライン・ミュージック・マーケットは、正直もっと早く浸透すると思ってたよ。ただ最近は、デジタルの売上げがどんどん増えて行っているし、レコードのリリースをストップしてしまったレーベルも少なくないんだ」と
Nolan は指摘する。
「未だに『デジタルには、レコード特有の音の温かみやあの香りは出せない!』と主張するレコード信者もまだいるけれど、彼等のような人たちは悲しいかな、今では少数派になってしまったようだね」
また彼はこうも語る。
「やっとビジネスが軌道に乗り始めて、金も入ってくるようになったよ。でも Time 誌の‘長者番付’に載る日はまだまだ遠いだろうね。『最初の100万ポンド(約2億2千万)を稼ぐのが最も難関だ』って良く言われるけど、ホントその通りだよ」
「僕も TID の共同設立者の Ed Real も超クールな BMW に乗ってるんだけど、Ed の場合はビジネスが上手くいったご褒美にあの車を買ったというよりは、‘中年症候群’にかかって衝動買いしちゃった感じかな」
また Ed も「今でも毎週 DJ 活動でイギリスやヨーロッパ各地を飛び回ってるから、いつも凄く疲れてるんだ。だから時には他人の意見や愚痴を聞くのにウンザリすることもある」と語っており、「怒りっぽくなってしまう時もある」と彼自身認めている。Ed
はこうも続ける。
「他のデジタルダウンロード・サイトのように大企業に出資してもらうよりも、自分たちで一から始めたかったんだ。サイト運営が上手く行ってる時は最高の気分だけど、でも売上が少なければその分打撃も大きいよ。経営不振の時こそが正念場だね」
「サイトが大きくなるにつれスタッフの数も増えたし、彼らに対する責任感もあるからね。それに彼らはビジネスが上手く行かないと俺たちを責めるんだ。Nolan もオレも完璧主義者だから、今後は多少のことには目をつぶってビジネスをやっていく術も身につけなきゃな。あとはサイトから手を引くタイミングも見極めないとダメだろうね。ただ現状としては、サイトの売上は絶好調だし、これから3年間が勝負さ」
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