HigherFrequency OVERSEAS NEWS

ENGLISH INTERNATIONAL NEWS

Carl Cox

international news _ JONTY SKRUFFF _ 2005.05.24

テクノ界の巨匠たち、こぞって UK を去る

Text by Jonty Skrufff _ Translation by Kei Tajima (HigherFrequency)

兼ねてから、きまって夏の時期はオーストラリアのメルボルンで過ごしていた Carl Cox だが、最近、シドニーの雑誌 3D World に掲載されたインタビューの中で、今年は本格的にメルボルンに移住することを考えていると語った。

「自分に合う場所を見つけたんだ。イギリスで出来ることはもうやり尽くしたよ。もちろんイギリスが好きで、満足して生活している人はたくさんいるさ。でも、今の僕には不十分なんだ」

世界中を舞台に活躍する億万長者DJである彼は、'90年代はイギリスはサセックスのホーシャムに住居を構えていたが、二年前にフランクストンに別荘を購入。だが、昨日彼自身が心臓発作を起こしたことがきっかけとなり、人生における優先順位を考え直したようだ。

「もっと色々なものを見て、色々なことをして、色々な人に会いたいんだ。もう一度自分の人生を活気付けたいんだ」と彼は説明する。「もう一度、何か違ったことをやってみたいのさ…イギリスでは出来なかったことをね」

同じくイギリス人テクノ DJ / プロデューサー Dave Clarke も、最近になってブライトンを去ったと言う。最も、彼はオーストラリアよりアムステルダムを選んだようだが…。

「メルボルンはいい場所だよ。人が素晴らしいし、食べ物も旨い。それに、ヨーロッパに比べると、家もすごく安いしね。でも、遠いんだよ。オーストラリアはリタイア後に住んだり、年に何度か訪ねる場所だよ。仕事をしている限り、ヨーロッパに住まないとね」と Dave は語る。

また、デトロイト・テクノのパイオニア Derrick May も、昨年行われた Skrufff とのインタビューにおいて、以前と比べてUKに魅力を感じなくなったと語っていた。

「ロンドンを第二の故郷だと思った時期もあったよ。とても特別な場所に感じたよ。でも、それからセンセーショナルな人民主義がロンドンに巻き起こって、肝心の音楽は後ろに隠れてしまったんだ。それからはロンドンを昔と同じような感覚で見ることはなくなったな。ここでの人民主義というのは、ドラッグ・カルチャーの蔓延によって、過大評価されてきたもの…いわゆるスーパー・クラブや、クラブ雑誌のことなんだけどね。そのせいで、みんな大事なものが見えなくなってしまったのさ」

Dave Clarkeのニュー・コンピレーションCD "World Service 2" は Resist Records から近日発売予定
(Jonty Skrufff)

Jonty Skrufff バイオグラフィー


関連リンク