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Hardfloor

international news _ Jonty Skrufff _ 2005.05.12

Hardfloor - Acperience からの学習

Text by Jonty Skrufff _ Translation by Kei Tajima (HigherFrequency)

ドイツが生んだアシッド・テクノのパイオニア Hardfloor の Ramon Zencker が、ミニマル・テクノ・クラシックと名高い Hardfloor の傑作 "Acperience" は、多数の有名なコンピレーションCDや映画のサウンドトラックに使用されたのにも関わらず、事実上一銭も利益を上げることがなかったと発言した。

「レコードの販売数が少ないのに、世界的なヒットとなってしまったのさ。実際、あのトラックは全世界で5万枚しか売れてないんじゃないかな」

「著作権使用料の計算票を見ても、せいぜい5万か6万くらいだったと思うよ。それに、このトラックはたくさんのコンピレーションに収録されたし、ハリウッド映画のサウンドトラックにも使用されたんだ。にも関わらず、その利益も僕たちには入ってこなかった。当時契約していた Harthouse というレーベルにはお金が入ったけど、彼らがその後倒産してしまったんだ。だからあのトラックからはほとんどお金を稼げなかったのさ」

RamonとパートナーであるOliver BondzioがTB303 (ローランド社のベース・シンセ) を駆使してグニョグニョ、ウニョウニョなアシッド・サウンドが光るこのトラックをリリースしたのは、今から13年前の1992年。にも関わらず、彼らの楽曲や存在は未だに色あせることなく、最近のアシッド・リヴァイヴァルの波に乗り、その楽曲自体の素晴らしさや、シーンに及ぼしてきた影響の大きさを改めて評価されるようになったのだ。

また、Ramongaによると、近々リリースが予定されている彼らのニュー・アルバム "Four Out Of Five Aliens Recommend This" は、近年のアシッド・ハウス新世代ともいうべく、新アーティストによるトラックに、Hardfloorの二人が多大な影響を受けて生まれた作品だと言う。

しかし、そんな彼らでも、今となってはややテンポが遅く感じられる "Acperience" をリミックスし、今風に変化させることはしないのだと言う。

「もうリミックスはやりたくないんだ」Ramon は言う。「ライブの時は、オリジナル楽曲をオリジナルのスピードでプレイするんだ。もしスピードを変えたりしたら、楽曲自体の魅力が失われてしまうような気がするからね」
(Jonty Skrufff/Skrufff.com)

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