international news_2009.03.18
Text by Midori Hayakawa (HigherFrequency)
ダンスミュージックと不況について、これまでの業界における歴史と共に Mixmag の創設者でもある Dom Phillip が以下のような内容を英 The Independent 紙に語った。
’88年、UKでは Acid House が広まり始め違法の野外レイヴへと発展したが、世間から大きな反感を買うと共に落ち着く。その後’92年に再び Acid House が合法的にクラブシーンへの復活を果たし、それと同時にスーパースターDJが誕生した。これがクラブ黄金時代の始まりである。このブームにより、音楽、クラブ、ドラッグがライフスタイルの一部となり、クラバーにとってそれはアイデンティティーの確立とも言えた。'90年代後半には業界も成長し、DJたちは突然高収入を得、大きなビジネスへと変貌していったのである。身内の人間を相手にプレイしていたDJも、いつしか大きなクラブでまわすようになり、神のように称えられる存在になったのである。その代表に Norman Cook (Fatboy Slim), Jeremy Healy, Peter Cunna の3人が上げられる。Sasha, Paul Oakenfold, Sonique, Pete Tong, Dave Seaman もそう。その中でも Norman Cook はおそらく歴史上一番有名なスーパースターDJと言えるだろう。彼の収入は1ギグにつき£150,000〜£50,000、1ショーにつき£1,000だったと言われている。彼のアルバムのセールスは何ミリオンにも到達、クラブでプレイすることはなくなり、大きなフェスティヴァルやビーチパーティーでのみプレイするようになった。Big Beach Boutique では25万人もの人が集まった。その結果、ダンスミュージックのトップに君臨するDJやプロモーター達は自分達のエゴや欲に溺れ、本来の理想を見失い、金に左右された判断を優先するあまりに、自分達の収入の元となっているクラバー達のことを忘れ、尊敬を持って彼らに接することを忘れていってしまった。バブルはゆっくりとはじけ出し、クラブカルチャーの黄金期は終わりを迎え、衰退してしまった。
このような現状に直面してか、 DJ Hell は最近自分のギャラを見直したそう。フェスティヴァル側がアーティストに支払うギャラも年々減少しているのだという。また、上記に登場した Norman Cook (Fatboy Slim) が6月6日、八景島シーパラダイスにて開催される野外フェス Big Beach Festival 09 に出演する予定となっているが、ともあれスーパースターの健在を確認できることは間違いなさそうである。
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