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international news_2009.06.09

M-Audio Microtrack II Recorder 試用レポート

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen

Sasha や Rennie Pilgrim が彼らの楽曲のレコーディングで使用し、Above & Beyond や Steve Lawler などのアーティストのライブでも活躍している機材である M-Audio の新しい新製品 Mictrotrack II。それの試用テストを行えるというチャンスに僕はすぐに飛びついた。

この M-Audio の新たなデジタル機材はミキサーからのケーブルや外付けのマイクからでもハイクオリティーなWAVサイズのサウンドを拾えるらしく、彼らはそのお試しのセットを郵送してくれると言う。

7日後に届いた箱の中には色々な種類のアダプターや小さなマイク、そしてレコーダー本体が入っていた。軽い本体は昔のソニーのウォークマンほどの手のひらサイズだった。宣伝の文章にはこの機材の 「使いやすい」 機能を強調しているにも関わらず、必要なフラッシュカードやマイクロドライブは付いてこない。(フラッシュカードはオンラインショップや電機店で4GBのものでも10ユーロ程度で購入可能である)

さらに、ミキサー後部に接続するためのケーブルも同梱されていないため、フラッシュカードを買いに行く際にこのケーブルも購入した方がいいだろう。また、録音の際に使用するミキサーのアウトプットのソケットの大きさも確認しておこう。

こういった別売りで購入しなければいけない付属品を除けば、機材自体は大変使いやすかった。使い方は非常にシンプルで、ファイルシステムも実用的な上、ボタンもボリュームや赤い録音のボタンなど必要最低限のものしか付いていない。自宅でテストしてみたところ、この機材を使えば夢の用に音質の高い透明な音を録音することができる。実際の現場でのテストはチェコの Abaton Theatre での Full Moon Party となった。

伝説的なクラブに到着し、僕の好きな Pioneer DJM-800 があること、そして、前座のDJが Traktor を使用し、わざわざ自分のミキサーまで持って来ている様子を見て嬉しくなった。Microtrack II と Pioneer のミキサーとの接続方法は非常にシンプルで、ケーブルの2つの赤と白の配線をメインパワーの出力のとなりにある、"Audio" と書かれたソケットに差し込むだけである。何の問題もなく、一分もかからない内にセットアップが完了した。最近になり Traktor や Ableton をプレイ前にセットするために10〜15分もかけているDJが増える中、これは非常に感心すべき進歩である。セットアップに時間がかからないだけでなく、赤の "record" のボタンを一押しするだけで機材を起動できる。

この機材はフル充電の状態で3時間録音することができる。プレイの終了後にチェックしてみたところ、全て問題なく録音されていた。機材の本体から直接ヘッドホンで聞いてみたWAVレベルで録音された音はすばらしく、USBケーブルを繋げ、デスクトップにドラッグするだけでノートパソコンに簡単に移すことができる。

同じくチェコの Fleda やベルリンの Tresor でもその性能は発揮され、録音された音源はラジオなど様々な媒体でプロモーション使用するのにも完璧なものであった。

M-2の説明書にこの機材は 「持ち運び可能なデジタルレコーダー」 であると強調されている通り、この商品はDJだけではなくもっと幅広い客層を対象としていると言える。しかし、この機材は制作にも非常に役立つツールである。またイヤホンを接続することにより、インタビューにも使用することが可能であることを発見した。さらに交通、電車、人のざわめきなどを録音するのにも適しておりサンプルの音源を使用をせずして、これらの効果音を手に入れることができる。

Microtrack II Recorder は229ポンド(日本での発売価格は29,800円)。果たしてその価値はあるのだろうか?もしあなたがそのお金を持っているなら答えは絶対にイエスである。Podcast やデジタルラジオなどのウェブ音源が発展を遂げる中、DJ MIXを定期的にリリースすることはマーケティングや露出の上でも非常に重要となっている。セットを簡単に録音することは全てのDJにとって知名度をあげる上で重要だが、それが余分なお金をかけたりソフトウェアを使用することなく可能となったのだ。

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