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Napier Bell

international news _ JONTY SKRUFFF _ 2005.06.03

Wham を育てたプロデューサー Simon Napier Bell が「ダンス・ミュージックの死」に対して異論

Text by Jonty Skrufff _ Translation by H.Nakamura (HigherFrequency)

音楽業界の伝説的アイコンであり、最近は作家としての活動を行っている Simon Napier Bell が、先週 Skrufff とのインタビューに応え、最近イギリスの音楽系ライターがこぞって書きたてている「ダンス・ミュージックは死んだ」という考えに疑問を投じていることを認めた。

「ダンス・ミュージックはポップミュージック・ビジネスの半分を占めているもので、それは何も今に始まったことじゃない。ロックン・ロールだって言ってみればダンス・ミュージックだったわけだし、その意味で現在のロックだって本当はそうあるはずなんだ。でも最近の音楽系ライターたちは、ロックがあたかもダンス・ミュージックのライバルであるかのような書き方をする。僕からしてみれば、むしろダンス・ミュージックこそが、今まで危機や問題に直面した音楽業界を救い、再活性化し、そして新たな利益を生み出す原動力になってきたと思うんだけどね」と Simon は指摘する。

この Simon のインタビューは、最近発売されたばかりの彼の自伝的作品「I'm Coming To Take You To Lunch」をプロモーションする目的で行われたのだが、この本は、ちょうど彼が George Michael と Wham を世界的なスーパースターへと育て上げた「80年代初期の頃」にフォーカスを当てたということで話題を呼んでいる。

また、彼は Wham を手がける以前には T Rex の マーク・ボランを、そしてさらにその前、60年代には伝説的なロック・バンド、ヤードバーズをそれぞれマネージメントしていたことで知られ、どちらかと言えばロック畑の出身者なのだが、それでも彼のキャリアにおいて、常にダンス・ミュージックこそが最も愛すべき存在だったと語っている。

「ダンス・ミュージックは、道徳的でクリーンな生活というものを常に脅かす有害な存在なんだ…セックスや快楽主義、ドラッグ、そして責任からの逃避など、人生を楽しくそして魅力的にする全てのものを奨励しているんだからね(笑)。ダンス・ミュージックは私にとっては生活全てを意味しているし、最近のクラブにおけるテクノロジーとそのカルチャーをもってすれば、世界中の若者たちに影響を及ぼすことが出来るし、また実際に及ぼしていると思う。だから、ダンス・ミュージックは、伝統的な文化を宗教的までに守ろうとするくだらない考え方を持っている連中にとっては、破壊分子的そのものといった存在になってしまうわけなのさ」。(Jonty Skruff / Skrufff.com)


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