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international news _ 2005.06.01

着メロのダンス・リミックスが全英チャートで1位に

Text by H.Nakamura (HigherFrequency)

着うた・着メロに代表される携帯電話経由の音楽配信サービスが、ここ日本で大ブレイクしていることは今更改めて説明するまでもないが、海の向こうのイギリスにおいてもそれは決して例外ではなく、気軽に楽しめる音楽コンテンツとして、若いユーザーを中心に急速な広がりを見せていると言われている。そんな中、遂に今週のイギリス国内チャートにおいて、着メロをきっかけにブレイクした曲のダンス・リミックスが、Coldplay のシングルを抑えて1位に輝くという興味深いニュースが入ってきた。

目下イギリスで抜群の人気を誇る Coldplay を下して1位になったのは、携帯電話向けコンテンツを制作する会社ジャムスターが、そのマスコット・キャラクターの一つとして公開している「クレイジー・フロッグ」が歌う"Axel F"という曲。この曲は、あのエディ・マーフィーが主演した映画「ビバリーヒルズ・コップ」で使われたあの有名曲をカバーしたもので、「バイクの音」をまねて歌う(?) 3D のカエル・キャラが受けて、当初は携帯電話の着信音としてヨーロッパで大ブレイク、その後ダンス・ミックスが作られると瞬く間にチャートを駆け上がり、全英チャート1位という快挙に至ったようだ。

実際にこの曲を制作したのは、スウェーデン在住の無名プロデューサーで、音自体が作られたのは今から8年前の97年のこと。その後、同じくスウェーデンの映像作家がこのカエル・キャラをつけて自身のウエブにアップしたところ、地元テレビなどで一気に話題となり、ジャムスターが配信の権利を獲得したというのが背景らしい。この着メロだけで20億円近くの売上があったらしく、この金額を聞くだけでもそのフィーバーぶりが推し量られるというものだろう。

ちなみにこの曲のプロモーション・ビデオ(?)は、こちらのリンクから見ることが出来る。特にサウンド的に HigherFrequency で取り上げる云々のものではないが、音楽の売れ方が大きく変化しつつある現在のマーケットを象徴するエピソードとしてご紹介しておきたい。


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