international news _ JONTY SKRUFFF _ 2005.06.01
Sasha - リリースのインターバルを大幅に短縮
Text by Jonty Skrufff _ Translation by H.Nakamura (HigherFrequency)
３月２５日付ニュースでもお伝えしたとおり、コンピをあまり出さないことで知られるイギリスのスーパースターDJ Sasha が、彼にとっては「ほんの数日」にあたる約１年間のインターバルで、最新のコンピ"Fundacion"を近日中にリリースすることになっているが、そのことに関する記事が Skrufff から届けられたのでお伝えする。
前作"Involver"が出るまでには実に５年もの月日がかかっていた Sasha であるが、今回の作品ではそれを１年間へと短縮。最近大きな話題となっている Ableton Live のみを駆使した新たな DJ ミックスへの挑戦が、今回のコンピにおいても積極的に行われていることを明らかにしてくれた。
「今度の新作"Fundacion"は、ライブ的な環境において Ableton Live のみを使って何が出来るかということを捉えたもので、オレにとってはミックスCDと呼べる作品。Live は究極とも言える DJ 体験が出来るツールで、オレに再び大きな力を与えてくれたんだ」とSasha はそのコンセプトについて語っている。
最近ではアメリカに拠点を移して活動している Sasha であるが、実は昨年ミックスCD "Involver"をリリースした時に行われた Skrufff とのインタビューにおいて、なかなか作品を出さない自分のスタンスが大きな問題となってきていることを認める発言をしている。
「最近気付いたんだけど、オレにとって一番良くないのは、特に締切がないっていう状態なんだよね。だから、継続的に小さな締切を自分自身で設けて、その締切までに完成させるように心がけているんだ」
また、DJ として非常に大きな成功を収めてきた彼は、その成功が彼に新たな頭痛の種をもたらしたことを次の通り明らかにした。
「他の誰よりも、進化と完璧さと追求しなければならないという意味で、自分自身にはかなりのプレッシャーをかけてきたつもりさ。ナンバーワンであるということに潜む危険は、自己満足に陥ってしまうということだからね。ただ、オレに起こった問題っていうのは、あまりにたくさんの仕事を引き受けすぎて、結果的にそれらの仕事が本来受けるべきレベルの注目を集めることなく終わってしまったってこと。あまりにたくさんのライブをやり、それをやるために全精力を使い果たして、結果的にはクタクタに疲れてしまったんだ。その意味で、去年は難しい年で、どんな曲をどんな形でプレイすればいいのかもよくわからなくなっていたし、何となく空虚な気持ちで終わることになっしまった。でも、今年は多少バランスを取り戻すことができたんじゃないかと思っているよ。」
Sasha の最新ミックスCD "Fundacion"は、Global Underground レーベルより６月１３日に発売予定。基本的にはプログレッシブな香りを残しつつも、Tiefschwarz や Ewan Pearson、Goldfrapp といったエレクトロ・ハウスよりな曲も多数収録されている。
(Jonty Skrufff)
Jonty Skrufff バイオグラフィー
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