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apple itune

international news_2004.6.14

アップルのi-tuneストアが遂にイギリスに進出

アップルのi-tuneによる音楽革命が、遂に大西洋を越えて今週遂にヨーロッパへ到達し、まずはフランスとドイツ、そしてイギリスでサービスが開始される事になった。

今やアメリカにおいて合法的にダウンロードされる曲の70%を占め、初年度におけるダウンロード実績が8千5百万曲を記録するまでに至ったi-tuneストア。彼らの大きな成功は、かつては全てフリーでダウンロードしてきたものに対して消費者がお金を払うようになったという事を意味しており、小売店での売上が前年比で7.9%も落ち込んでしまった原因を違法ダウンロードに求めてきたレコード業界にとっても、本来は諸手を挙げて歓迎すべき話であろう。

しかしながら、全ての人がこの話に喜んでいるわけではないのが実情のようである。業界の中には、1曲につき約79ペンス(約160円)、フルアルバム換算でも7.99ポンド(約1,600円)という低価格で消費者に楽曲を提供するこのサービスが、最終的にはイギリスのシングル・マーケットを衰退させ、引いてはお店に対して悪影響を与えてしまうとの予測を立てている人もおり、このアップルの低価格戦略が、路面店は勿論のこと、インターネット・ショップに対しても不利益を及ぼしてしまうのでは、との懸念の声が早くもあがりつつあると言われている。

しかし、この手のサービスを試みているのは決してアップルだけではない事を彼らは認識しておく必要があるだろう。元々は違法ダウンロードの象徴的存在であったナップスターも、1曲当たり1ペンスという低価格であらゆる音楽を聴く事が出来るOD2と呼ばれるオンライン・ジュークボックスを立ち上げる準備を進めており、オンライン・ミュージックの市場をめぐる覇権争いが、今後アップルを中心としながらも益々激しさを増していくことは間違いない。

この勝負の行方は数ヶ月のうちに明らかになると思われるが、いずれが勝利しようとも、結果として合法ダウンロードが活性化され、その結果としてアーティストやレーベルが適正な収入を得るようになれば、それは最終的にはクオリティの高い音楽として消費者の手元に戻ってくることでもあり、期待感をもって今後の行く末を見守って行きたいところである。