international news_2009.07.16
Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen
Ministry Of Sound のオーナー James Palumbo は、ロンドンの犯罪グループが90年代に彼のクラブにて麻薬密売を行なっていたことを摘発して以来、スタンガンと催涙スプレーを持ち歩き、防弾チョッキを着ていたことを今週明らかにした。
先日発表された、彼のデビュー小説 『Tomas』 のプロモーション用メールインタビューでは、過去に彼のクラブのセキュリティー・チームがオーナーである James の権限を無視し、クラブ内で毎週末£50,000(約765万円)相当のエクスタシー錠 を売買していたことを明らかにした。1993年のとある日曜の朝、目出し帽を被ったチンピラ達がクラブに押し入ったことをきっかけに、とうとう彼は通報。その後到着した警察により多くのセキュリティーのスタッフが逮捕された。
この事件後、彼は新たにバーミングハムからセキュリティー会社を雇った。名門パブリック・スクール Eton 校の主席卒業者であり、億万長者の Palumbo 卿の息子でもある彼はこの時、クラブの入り口で常に銃撃に怯えていたという。
「クラブのセキュリティーを麻薬密売でクビにした直後は、彼らからの報復を常に待ち構えているような状況だった。ストリートのルールでは、彼らは絶対に我々に報復しなければならないからね。ストリートのルールは 『リスペクト』 と 『ディスリスペクト』 という言葉を基盤に形成されている。悪ければ悪いほど、刑務所で過ごした期間が長ければ長いほどリスペクトを得ることができるんだ。このバカ共のルールによれば、我々がクビにしたセキュリティーチームに行なった 『ディスリスペクト』 に対し、報復をすることでリスペクトを得られるんだよ。」
この時、彼は報復を受けることはなかった。また当時、武闘派で有名だったギャングスターである Tony Tucker により経営されていた Ministry の最大のライバル、Club UK のドア・セキュリティー・チームとも関わりを持たずに済んだことも不幸中の幸いと言えるだろう。
1995年、Tucker はドラッグ・ディーラー組織 "Essex Boys" のメンバーである Pat Tate、Craig Rolfe と共に、レッテンドン付近の砂漠の田舎道で Range Rover の車内で射殺された。Essex Boys のドアマン役であり、その後、ノンフィクションの犯罪小説家となった Bernard Mahoney は彼の小説、『Essex Boys』 の中で、この殺人事件や Tucker の異常なまでの怒りや暴力について説明した。
ギャングメンバーの Carlton Leach、またの名を "The Muscle" は当時の自分の心情を振り返り、自分も3人が殺害された Range Rover に乗っていればよかったと語った。
「俺達は王様のように生活して、動物のようにパーティーをしてたんだ。大金かけて服を買って、BMWやベンツ、ポルシェを乗り回してた。もし俺達の進む道を阻むものがいたら、潰すだけだと思ってた。自分たちに敵はいないと思っていたんだよ。銃弾が当たったって跳ね返るだろうって本気で思ってた時期もあった。だけど、あの田舎道で終焉は訪れたんだよ。」(Chelmsford Weekly 紙)
James Palumbo のデビュー作 『Tomas』 は好評発売中。
www.tomas-book.com
「大衆を驚かせ、敏感な人間を反乱させ、上品ぶった人間を消し去る」 ような作品に仕上がっているという。
また、彼のウェブサイトでは 「今、不況のさなかで崩壊しつつある道徳に問いかける」 作品になっているとのコメントが掲載されている。
Bernard Mahoney の実話に基づいた犯罪小説 『Essex Boys - the Next Generation』 も同じく好評発売中。
www.bernardomahoney.com/books/essexb.shtml
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