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international news_2010.01.06

Dusty Kid がイタリアの首相を批判

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen

一部では右翼思想家とも言われているイタリアの首相、Silvio Berlusconi が先日、ミラノでの会議を後にした所を抗議者に雪花石膏製の像で殴られ、2本の歯を折り、鼻を骨折したニュースはまだ記憶に新しいであろう。メディアでの報道によれば、この 『抗議者』 Massimo Tartaglia (42歳) は、10年間に渡り精神的な病を抱えていたとされており、ミラノのカテドラル・il Duomo をかたどった小さなお土産の像を投げたところ、首相の顔面に直撃してしまったとのこと。

イタリア・サルデーニャ島出身のエレクトロテック界のスター・Dusty Kid はこの件に関して感心している模様であった。
「僕は基本的に暴力っていうものには反対だよ。だけど、今回の一件に関しては… 『良くやった』 としか言えないね」

USのダンスミュージック・スター、Tommie Sunshine も Twitter で、
「イタリア人は政府が自分達のことをきちんと扱ってくれない時に、それを伝える方法を知ってるね」と、今回の抗議者の行動を肯定する発言をしている。

一方で UK の DJ・Dave Seaman は彼らに比べ、少し慎重な意見を述べている。
「僕の中には冷静な自分がいて、ついついこの Berlusconi の一件は同情を買うための芝居なんじゃないかって思っちゃうんだよ。」 (Twitter)

Seaman が抱いている疑いはイタリア人のドキュメンタリー作家・Erik Gandini の意見とも一致している。Gandini が数年前に制作した映像では、ファシズム政権の独裁者・Mussolini が1926年に同じように鼻を殴られていることが伝えられている。

今回の一件について Gandini はこのように語っている。
「Berlusconi に残った傷跡は、被害者であるというイメージを強めるんだ。彼は今までも被害者というイメージを演じてきたんだよ。彼はイタリアで最も恵まれた人間の一人なのにね。」

2006年、Berlusconi 首相は「僕は政治界のイエス・キリストなんだ。僕も被害者の一人で、みんなのために自分を犠牲にする。」と語り、その後のインタビューでは Mussolini を弁護していた。

「Mussolini は人を殺したことなんてないんだ。彼は人々を国内追放にして、休暇を与えてたんだよ。」

様々なことに首を突っ込むことで知られる Berlusconi 首相だが、Dusty Kid によると、幸いなことにイタリアのナイトライフにはまだあまり関与してはいないらしい。

「Berlusconi はファシストなんだから、もちろんクラブ・カルチャーなんかには反対だろうね。だけど、幸いなことに彼は今のところシーンに影響を及ぼしていない。でも、彼の影響が無いとしても、現状のイタリアのクラブシーンは酷いもんだよ。僕は世界中でパフォーマンスをしてきたけど、DJを紹介する司会者やMCがいて、その後に音楽をバックにダラダラしゃべる国なんて、ウクライナ、ロシア、ルーマニア、そして、イタリアぐらいだよ。イタリアの商業的なクラブには必ずと言っていいほど、こういう人間がいる。酷いよね。」

彼はそんな調子でイタリアのクラブシーンへの不満を漏らしたあと、この一言でインタビューの幕を閉じた。

「そして、最後に一つ。僕はイタリア人じゃなくて、サルデーニャ人だからね!」




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