international news _ JONTY SKRUFFF _ 2005.01.19
Text by Jonty Skrufff _ Translation by Kei Tajima (HigherFrequency)
オランダ人ハウス/プログレッシヴDJ Lucien Foortが、タイトなスケジュールの中、先週Skrufffとのインタビューに応じ、オランダの人種差別問題や、彼の信じるダンス・ミュージックのヒーリング・パワーについて語ってくれた。
「ダンス・ミュージックは大きな力であるということに間違いはないけど、第一にエンターテインメントなんだ。所詮僕たちは真ん中に穴の開いた黒いプラスチックがいっぱい入ったバッグを持ち歩いてるだけの人間なんだよ。一部のDJはDJすることによって世界を変えたり、人々に何かを伝えたいと思ってるかもしれない。けど、僕みたいに長くDJをやっている人間には、DJをすることとはいい時間を過ごすことだけとしか考えられないんだ」
「だけど一方で、ダンス・ミュージックこそ正真正銘のグローバル・ランゲージだとも思っているんだ。僕は日本語を話さないけど、日本でプレイする時のクラウドの笑顔はオランダやイギリスのクラウドの笑顔とまったく同じだしね。それこそ僕が求めていることなんだ。グローバルなコミュニケーション方法であるということ、それこそがダンス・ミュージックのパワーなんだと思うよ。」
またLucienは、右翼政治家 Pim Fortuyn、そして左翼側の激論家として知られるTheo Van Goghが続いて殺害されたことを受けて、オランダ内で緊張が高まっていると語った。
「国中のみんなが影響を受けているよ。そういった意味で、寛容なはずだったこの国は、オーストリアより人種差別がひどい状態になってきている。だんだんとね。ただ、僕はオランダの人々が人種差別をするような人間ではない、と信じたいんだ。生まれつきの人種差別者なんて存在しない。そういった考えを植えつけられることによって人種差別者は生まれるんだ。とは言っても、今のオランダの状態には心配させられてしまうな。聖書から引用するとすれば "恵まれる時もあれば、恵まれない時もある"という言葉にあてはまるのかな。今は僕たちにとって恵まれていない年なのかもしれない。でもいずれ均整がとれるはずさ。」
Lucienは今年早々、久々となるシングル"Shine The Light"をリリースする予定である。
(Jonty Skrufff / Skrufff.com)
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