international news _ 2006.02.14
Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Kei Tajima (HigherFrequency)
Pacha のスター DJ Wally Lopez が Skrufff とのインタビューの中で、先月起きたという酷い自動車事故について話し、幸運にも無傷で逃れることが出来たのは、神の助けがあってこそだと語った。
「僕は心からイエス・キリストを信じてる。日頃から誰かに守られているような気がしていたんだ。常にラッキーだったからね。あの事故が起きた日、何も見えなかったけど、誰かが傍にいてくれたような気がしたんだ」
「かすり傷一つなしに生き延びることが出来たんだ。世の中にはもっと軽い事故で命を落としてしまう人もいるのにね」
このように話す Wally Lopez は、友人の DJ とバレンシアにある The Silencio Club へ向かう途中で、車がスピンし、氷の上を600メートルも滑った上、道の端の山に激突するという大事故に遭った。
「車をコントロールしようとしながら、ギグのことを考えてたのを覚えてるよ。おかしなことにね。それから、僕の妻のことを考えてたよ。まだ旦那を失うには若すぎるってね。そういうことを考えてたよ」
「車がストップした途端、車から逃げ出して状況を見たんだ。手をポケットに入れながら、"なんて事故なんだ" って思ったよ。それからプロモーターに連絡したんだ」
プロモーターはすぐに Wally をピックアップし、Wally 曰く彼の DJ 人生の中でも「ベスト・ギグ」(Wally:「プレイの最中、"こうしてプレイ出来るなんて、僕はなんてラッキーなんだ" って考えていたよ」)をプレイしたクラブへと連れて行ったという。しかしながら、事故以来、ひどく強烈な悪夢にうなされるようになってしまったそうだ。
「夢の中の自分はゆっくり運転しているから、特に怖がったりはしていないんだけど、事故に遭ってからというもの自分が死ぬ夢を何度も見ているんだ」
「それが精神的なダメージを受けた兆候なのかどうかは分からないけど、事故以来、自分の人生をもっとポジティヴに見るようになったのは事実だね」
このような Wally の瀕死体験は、イタリア人 DJ Vito Lucente (a.k.a. Junior Jack & Room 5) の体験と類似している。 Vito は、数年前にフランスで起こした自動車事故で重傷を負い、友人を亡くした。昨年の Skrufff とのインタビューで、Vito は、彼の友人が運転しながら眠ってしまい、事故を起こすという致命的な結果に陥るまでの経過を語った。
「友達は瞬時にして亡くなって、僕は重症だった。手術もして、ほとんど全身が麻痺していたんだ。両足も両腕も動かずに、首には金属製のフレームをはめていた。そんな状態が6ヶ月も続いたんだ」
「事故そのものはそんなに怖くなかったよ。血まみれって感じでは無かったしね。死んだ友達も、ただ目をつぶって横になっているだけだった。だから事故に遭ったその時は、彼があの場で死んでいたかどうかは分からなかったんだ。救急車が来た時も、彼が死んでいたことは知らされなかった。僕を配慮して数日待ったんだろうね。もちろん、彼の死を伝えられてからは、怖くて眠れなくなってしまったけど」
事故後6ヶ月の間全身麻痺状態だった Vito は、非常に難しい手術を経験し、幸運にもその手術に成功、完治するに至ったという。
「手術の前、医者から "この病院を車椅子で去ることになる可能性もあります。一生歩くことが出来ないかもしれません" と言われたんだ。スタジオに復帰した時、まるで自分が生まれ変わったような気がしたよ。だから名前の前に Junior を付けたんだ」
「今までと変わったことは、長い時間運転しなくなったということかな。長旅になる時は、電車や飛行機を使うようになったよ。事故は誰にでも起こりえるんだ」
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