international news _ 2005.2.3
Text by Matt Cheetham _ Translation by Kei Tajima (HigherFrequency)
フランスの人気デュオDaft Punkが、2001年のゴールド・ディスク"Discovery"に続く、待望のニュー・アルバムを3月にリリースするというニュースは、先日お伝えしたばかりだが、どうやらファンの間では、アルバムのリリース前からその出来を批判する声が上がっているらしい。というのも、先週アルバムの先行シングル"Robot Rock"がI tune オンライン・ショップにて発売になり、そのトラックが1978年にリリースされたBayswaterの'Release The Beast'の完全なパクリで、同じメロディにただヴォーカルを加えたものという評価を受けているのだ。
この騒動のちょうど一ヶ月前には、彼らのファン・ベースのBBS 'Daft Crew'上でファンが"One More Time"の元ネタを見つけたという発言をして騒ぎを起こしており、それを静めるためにThomas Bangalter自らが「何のサンプルも使われていない」という発言をしたばかりであった。
Daft Punk といえば、1996年に "Da Funk"や"Around the World"といった革新的なトラックをリリースして世界的なブレイクを果たし、2001年の"Discovery"ではその人気を不動なものにした、もはや説明不要の売れっ子デュオであると同時に、Spike JonzeやMichel Gondry、そしてあの"銀河鉄道999"松本零士などの映像ディレクターとのコラボーレショーンも有名な、"クール"なデュオである…少なくともそうであったはずだ。
ただこちらとしては、こんな騒動は今までに五万とあったサンプリングに対する議論となんら変わりがない。今回のアルバムも、Daft Punkがあと4年は何もしないでも過ごせるくらいは売れるだろうし、そうなった時には誇張した宣伝も、酷評も何の意味もなさなくなる。少しサンプリングしていたり、オリジナリティーに欠けるなんてことは関係なくなってしまうのだ。それに、原曲の作曲者には見合った印税も支払われるはずだし、ただいい音楽を聴きたいリスナーには、それがどこからサンプリングされたかなんて、あんまり関係ないはずなのだ…。
関連リンク
関連記事