international news _ 2007.12.12
Text by Masanori Matsuo (HigherFrequency)
イギリスを代表するダンス・ミュージック系の大手ディストリビューター(卸売業者)である 3 Beat と Amato が並んで倒産してしまったという衝撃的なニュースが舞い込んできたのでお知らせする。
3 Beat といえば、イギリスのリバプールを拠点とするレコード・ショップから始まり、’90年代から 3 Beat Music、 3 Beat Breaks、 Release Records といった12”のレーベルを運営。数あるハウス&プログレッシヴ系のヒット・チューンをリリースしてきた。近年では12”レーベルと平行してデジタル・ディストリビューションの運営も行い、 Border Community や Perc Trax、Vapour などといった多くのビッグ・レーベルの作品を世に送り出していたところだ。一方 Amato も、’90年代から Underworld の作品をリリースする Junior Boy's Own や、 UKハード・ハウス・シーンの重要レーベル Tidy、Radio Slave が主宰する Rekids などの人気レーベルを所有する大手のディストリビューターで、12”、デジタル両方のフォーマットの卸を担当していた。
詳細なオフィシャル情報はまだ明らかにされていないが、いずれのディストリビューターも12”の運営を大きな視野に入れていたことで今回の事態になってしまったという話がある。また、今回の倒産によってレーベルに対しての売り上げの分配がなされていないこともあり、各ディストリビューターに所属していた中小規模のレーベルが数多くクローズしてしまっている現実もあるとのことだ。今回の事態がイギリスをはじめとしたダンス・ミュージックのシーンでどのような影響を及ぼすのか、また、今回のことで重要なポイントとなる12”からデジタルへのシフト・チェンジについても、全く目が離せないところである。
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