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Paolo Mojo

international news _ 2006.12.01

病魔と闘うスーパースター DJ

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Terumi Tsuji

人気急上昇中の UK プログレッシブ・ハウス DJ Paolo Mojo は、 Skrufff とのインタビューで最近患った急性膵炎について詳しく語ってくれた。

「医者の説明だと、膵炎の誘因としては胆石やアルコールの乱用が挙げられるらしいんだけど、 CT スキャンの結果からは胆石は検出されなかったんだ。ライフスタイルに関して言えば、ここ数年で派手にパーティーをする回数もめっきり減ったし、タバコも随分前に止めたんだ。ヘビードランカーでもないし、病院側も僕がこの病気にかかった理由が分らず頭を抱えているよ。ただ僕の日常生活は、彼らの言う所の“健康的”な生活には当てはまらないみたいだけどね」

イギリスでは毎年多くの人が膵炎に悩まされているが、たとえ一過性の急性膵炎であったとしても、再発を防ぐ為にはアルコールの量を控えることや辛い食べ物を避ける事が必要となる。また急性膵炎を繰り返していると、慢性膵炎を引き起こし死を招く危険性もあるという。発病以来 Paolo は南アメリカでのツアーを含め、いくつかのギグをキャンセルせざるえなかったようだ。

「ライフ・スタイルを見直す良いきっかけになったよ。今でも本調子とはほど遠い状態だし、病院にも真面目に通ってるんだ。口にするもの全てに気を使ったり、禁酒しなくちゃいけない日が来るなんて思ってもみなかったけどね」
「まだ完全に痛みが無くなった訳じゃないし、治療は思ったより長引いているけど、順調に回復に向かってるよ。ただけして軽視出来ない病気だってことも理解してるから、規則正しい生活を心掛けてるんだ。当分の間アルコールを控えるだけじゃなく、食生活に気を使いながら十分な休息をとるようにしなくちゃね。退屈かもしれないけど、病気が慢性化することを考えれば平気さ」

さらに彼はこう付加える。

「それに世界中をツアーで回っていると、体も心も疲れきっちゃうんだ。中には『DJなんて、人の曲をプレイしてギャラが貰える美味しい仕事だろ。それくらい我慢しなよ』とか言う人もいるけど、クラブに行ってプレイするだけがDJの役目じゃないってことを分かって欲しいな」

当初 Paolo は医師から食中毒だと診断されたが、その後膵炎だと判明した。西海岸ハウスのパイオニアこと Doc Martin も’02年に Paolo と同じような形で病状が発覚したという。

「最初は食中毒だと思い込んでたんだ。だけど想像を絶するような激しい痛みで意識を失しなっちゃって、気がついたら入院してたって訳さ。入院中は常にモルヒネで痛みを和らげてもらってたから、はっきりと意識が戻ったのは6週間後だったよ。心臓以外の機能が全て停止してしまって、肝臓はプラム程の小ささまで縮んでしまったらしいんだ」

退院後彼は8ヶ月の休養をとり、スーパースターDJとしての過酷なライフスタイルを見直すことにしたと言う。

「ハードなパーティーは過密な仕事と同じくらい体に悪いってことにやっと気づいたんだ。発病するまでは、ほぼ1ヶ月ツアーに出っぱなしな時期もあったし、ギグと飛行機の繰り返しで休む暇さえ無かったよ。その頃はクレイジーな生活にすっかり慣れてしまってたから、週にギグを3本しかやらないなんて考えられなかったんだ。そんなパーティー、酒、ドラック三昧の生活にどっぷり漬かってた頃は、体重もすっかり減って、DJをしてる理由さえ忘れかけてたよ。あの当時はパーティーがエンドレスに続いてた感じだったな」

「今ではすっかりクリーンな生活になって、アルコールはおろか、辛い料理も極力避けるようにしてるんだ。後はヘルシーな食事を摂るように気をつけてるよ。ドラックなんてもってのほかさ」

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