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Moby

international news_2009.08.20

Moby、アメリカの保険の 'Mistake' を糾弾

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen

Moby は、彼のニューアルバム、"Wait For Me" に収録されているシングル、'Mistake' を彼の「最も個人的な楽曲」だと説明し、この楽曲を思春期に「Joy Division や Echo & Bunnymen を聞いた経験の産物」だとしている。

また彼は自身のブログで1996年に母親を亡くしたことを綴り、アメリカの利益優先の保険システムの不公平さについてを語った。
彼の母親が呼吸器官の異変を訴え、病院に行った際に最初の二回は抗生物質だけを渡され、医者はレントゲンを撮ることを拒否したという。そして、三度目の通院にしてやっと保険会社からレントゲン費用に対する承認が降り、レントゲン撮影を行うことが出来たらしい。

「やっとレントゲンを撮った時にはもう僕の母親は末期の肺がんにかかっていたんだ。なんで彼らは最初に彼女が病院に来た時から検査をしたりレントゲンを撮ったりしようとしなかったんだ?彼女が30年にも渡ってタバコを毎日2箱吸っていたこともわかってたのに。彼女の契約してた保険会社、HMOは検査やレントゲンは高すぎるからって承認しなかったんだ。6ヶ月後に僕の母親は転移した肺がんによって死んでしまったんだよ。HMOの社員は実際にクライアントの保険に対する要望を断ることでボーナスを得てるんだ。アメリカの保険のシステムは変わるべきだよ。何千万人のアメリカ人が保険に入れていないし、保険に入っている人でさえ、病気になった時には彼らのマニュアル通りに保障を断られているんだ。」

またこの Moby の指摘と同時期に、アメリカの独立系メディアサイト・Alternet の記者である Thom Hartmann が大手の会社を運営する人たちの特徴をまとめた記事を発表した。その記事で Hartmann は『何故彼らは他の人たちよりも多くの金を稼ぐことができるのか?』という質問を投げかけている。

有名な心理療法士でもあり、"Threshold: The Crisis of Western Culture(『限界点 : 西洋文明の危機』)" の著者でもある彼いわく、「アメリカのCEO達は他の人の生活を壊すことに躊躇しない人間が少ないから、莫大な金を稼ぐ事が出来るんだ。CEOでいることの大変さは何か?それは人の運命を左右することだよ。そして、アメリカでそれが出来る人間は限られている。ある意味での精神異常なんだ。世界の大きな会社のCEOは毎日何かしらの形で他の人間の生活を破壊するような選択をしなければならないのさ。」

Moby のニューシングル 'Mistake' は9月7日(月)、Little Idiot Records から発売。
Lifelike, Yuksek, Maxime, Dangles, Darbruck & Klein, Funkagenda, Soundfly System/Rusty Egan, Davide Rossi らのリミックスも収録されている。

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