international news_2009.08.17
Text & Interview by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen
アンビエントハウスのプロデューサー Steve Miller (aka. Afterlife) が今週、The Sun紙とのインタビューで、Wi-fi(無線LAN回線)に対するアレルギーを感じていると発言した。Wi-fiアレルギーになってからというもの、彼は世捨て人のような状態になってしまったらしい。
「最近ではWi-Fiの無い場所を探す事の方が難しいよ。もし一杯飲みたいだけでも、3マイル離れたWi-Fiの無いパブに行かなきゃいけない。ショッピングなんかにも全然行けないんだ。賑わっている通りには必ずWi-Fiがあって、すぐにそれを感じるんだ。」
世界中を旅するインターナショナルDJの彼だが、今はWi-Fiの飛んでいない環境でしかパフォーマンスができないために、多くのブッキングをキャンセルしたという。しかし、Daily Telegraph 紙の科学欄の記者である Ian Douglas は彼のこの行動を冷やかしている。
「Steve Miller、可哀想に。彼はWi-Fiのアレルギーだと思ってるんだ。彼はイギリスの人口の2%の内の一人なんだよ。その2%とは、自分たちが電磁波に対して過敏な体質だと思ってる人たちだ。そんなことはあり得ないけどね。」
テクノロジーに精通する彼によれば、Wi-Fiの電磁波はテレビや携帯電話の電波の波長とほとんど同じらしい。そして彼は、Steve がWi-Fiに対するアレルギーなどではなく、広所恐怖症なのではないかと言う。
それに対し Steve は、「広所恐怖症?ありえないよ!絶対にありえない!僕は自分の休みの日は船で海に繰り出してるぐらいだよ。」 と否定している。
「Ian Douglas が何を言おうと知らないけど、実際に僕や何千人もの人がWi-Fiによって頭痛を起こしたり、気分が悪くなったりしている。テクノロジーについて記事を書くことを仕事にしている人の割には情報力に欠けるんじゃないかな。」
Steve は Ian Douglas に、Glastonbury でのWi-Fiに対する反対運動団体のウェブサイトを見るように勧めた。この団体は地元の協議会の町中にWi-Fiを張り巡らせるという計画を撤退させることに成功している。また、今週の Steve と The Sun紙とのインタビュー以降、彼に対し支援をしてくれているという。
「Wi-Fiに対する 『アレルギー』 なんてものは存在しないという点では Ian Douglas は正しいだろう。僕の知る限りでもそんなものは存在しないからね。だけど、電磁波に対する過敏症というものは実際に認められていて、スウェーデンでは286,000人の人がその症状を訴えてる。カナダでもこの症状は公式に認められているし、今週イスラエル政府はWi-Fiの安全性が証明されていないとして、国内のWi-Fiを使った商品の販売を禁止したんだよ。
驚くべきニュースなのは Glastonbury の住民による抗議運動で街のWi-Fiを全て撤去することに成功し、協議会も身を引いたということだね。色んなものを読んで知ったことなんだけど、今ではほとんどの人が家にWi-Fiを持っていて、常にその電磁波に曝されてると思う。だけど、家庭用Wi-Fiのアンテナから5メートルの位置で常に生活しているのは、携帯電話用の電波塔から100メートル地点に住んでいるのと同じことなんだ。僕が興味深いと思うのは、この症状が全て僕の想像上のものだって否定する人たちはすごく怒りっぽくて、彼らの意見は論理的でもないんだ。意見というよりももっと悪口に近い。人間の行動学によれば、Wi-Fiの電磁波に曝されることにより人間の行動が攻撃的になるとも言われているんだよ。」
ちなみに当事者 Steve Miller のニューアルバム、Afterlife - "Electrosensitive" は、Defected Records から近日発売予定。
関連リンク
The Sun "I’m allergic to wi-fi waves" Page
Glastonbury Why Wi-Fi Campaign Site
Steve Miller (aka. Afterlife) Official Site
Defected Records Official Site