domestic news_2006.08.17
Text by Kei Tajima (HigherFrequency)
「時に敏感であること」をテーマに、‘03年に行われた Time Sensitive 以来、毎年日本のクラブ・シーンに新たなる伝説を刻み込み続けているテクノ界のカリスマ Jeff Mills が、今年も10月に渋谷 WOMB で一ヶ月限定のレジデント・パーティーを開催することが明らかになった。
昨年の Contact Specia lでは、「未知との遭遇」や「外部との接触」をテーマに4週間にわたるイベントが行なわれたが、今回行なわれるレジデント・パーティー One Man Spaceship では、そんなコンセプトとは対照的に「個人の内面にフォーカスすること」がテーマ。3週にわたって行われるイベントのゲストには Jeff Mills、Mad Mike らと共に Underground Resistance 設立したデトロイト・テクノ・シーンを代表するアーティスト Robert Hood、今回が初来日となるベルリンの新鋭テクノ・アーティスト Sleeparchive が登場。テクノ・ファンにとっては見逃せないミニマル・シーンのベテランによる奇跡の共演と、ベテランとニュー・カマーの共演という2つの大舞台が続いた後の最終週には、何と Jeff による6つのターンテーブルを駆使したスペシャル・セットが行われ、「個人の内面にフォーカスする」という今回のコンセプトを Jeff 自身のみを持ってそのまま表現するようなイベントが予定されている。
また昨年同様、イベントと同タイトルの CD のリリースも決定しており、こちらの方は、昨年リリースされたモンテペリエ国立管弦楽団とのコラボレーション・ライヴを録音した DVD作品 “Blue Potential” の延長線上にあるような作品になっているとのこと。こちらにもイベントと合わせて大きな期待が集まりそうだ。
イベントの詳細は以下の通り
Jeff Mills WOMB Residency 2006 One Man Spaceship
10月13日(金)
DJ : Jeff Mills
VJ : Numan a.k.a. Glamoove
Guest Live : Robert Hood
Robert Hood プロフィール (WOMB より提供)
1989 年、Mad Mike や Jeff Mills らと歴史にその名を刻むアーティスト集団 “UNDERGROUND RESISTANCE
(アンダーグラウンドレジスタンス)”を設立。UR のオリジナルメンバーとして、デトロイトのセカンドジェネレーションの一人としてデトロイトサウンドを追求してきた彼のシーンに与えてきた影響は計り知れない。深く力強い音色の中に刻み込まれるシンプルかつ繊細な旋律とが織り成す彼の音楽はデトロイトテクノを形容してきた。その後URを離れ、Jeff
Mills と共に Axis Records を設立。以後 "The Vision" でソロデビューを果たすと共に "the
Riot"、 "X-103" などのリリースで自身の才能を発揮。そのミニマルかつストイックなスタイルはシーンを魅了し続け、ずば抜けた才能は世界から絶大な支持を受け続けている。そして遂に長い沈黙を破り、世紀を越えてこの二人の重鎮の再会がここに実現する。新しい伝説の幕開けとなろうこの夜を体感しよう。
10月20日(金)
DJ : Jeff Mills
VJ : Numan a.k.a. Glamoove
Guest Live : Sleeparchive
Sleeparchive プロフィール (WOMB より提供)
テクノの巣窟ベルリンが生んだエレクトリック・ミュージックの革命児 SLEEPARCHIVE こと Roger Semsroth。一つのジャンルにとらわれない独創的な世界を創り出す数少ないアップカマーアーティストの一人。自らのレーベル
<Sleeparchive> からは "Elephant Island EP" を筆頭にハイクオリティなトラックをコンスタントにリリースし続けている。シンプルながらも実に良く練られた展開や細やかに変化する音色...高い技術力と深い内面性を兼ね備えたミニマルなトラック群は、昨年発表されたテクノ界の重鎮リッチー・ホーティンのミックスCD
“DE9 Transitions” の中でも数曲使用され、その確かな才能を世界に証明した。更にはドイツの音楽誌 Groove チャートでも1位を獲得するなど、その地位を確実な物にしつつある。そのストイック且つ創造性の高いライブパフォーマンスは、洗礼された
JEFF MILLS の耳と感性に響き、今回の共演の為に初来日。テクノ・ミュージックの未来を予言する一夜となるだろう。
10月27日(金)
DJS: Jeff Mills (6 TURN TABLE SHOW CASE)
VJ: Numan a.k.a. Glamoove
Guest : TBC
レジデント最終週は JEFF MILLS が DJ が未だ見ぬ未知の世界へとオデッセイ。今迄、息を飲む素早い手さばきと繊細さでターンテーブル3台(3曲)を同時にミックスするいわゆる”3枚掛け”が有名だった彼。今回はその倍のターンテーブル6台を使いこなし”レコード6枚掛け”で
DJ 表現の限界に挑戦する。現在 CDJ を使う DJ が多い中、あえてターンテーブル(レコード)でこの6枚掛けに挑戦するマインド/スピリットこそ、今回のタイトル
"One Man Spaceship" の意味合いが理解出来るだろうショーケース。DJ 歴20年以上になる彼の集大成になる事は勿論、JEFF
MILLS がダンスミュージック界のモーゼとなる日を見逃さないで欲しい。また今回のプロジェクトに伴い、VESTAX 社に 6phono channel
ミキサーを開発を依頼。
X-DAY is THIS DAY.......
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ビデオ・インタビュー
: Jeff Mills Interview in Tokyo Part 1 (2005/10/13)
ビデオ・インタビュー : Jeff Mills
Interview in Tokyo Part 2 (2006/10/13)
パーティーレポート : Contact Special 2005 @ WOMB (2005/10/14-21-28)
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