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Marine Parade

international news_2004.08.18

Marine ParadeとReact が倒産 !

インディ系のディストリビューター3MVが倒産した影響で、ここ数ヶ月に渡って、何組かの犠牲者が生まれつつあるが、この会社の倒産がイギリスのダンスミュージック業界に与える影響は、我々が当初予想していたものよりもはるかに大きなものになりそうである。

約700万ポンド(日本円にして約14億円)の負債を抱えて今年の5月に事実上の倒産に追い込まれた3MV社は、数多くのレーベルに対しての未払いの債務を抱えていたが、イギリスの商品所有権に関する法令の下では、仮にレーベルが商品代金を支払ってもらっていなかったとしても、それらの商品の所有権自体を主張する事は出来ず、結果として3MVが抱えていた全ての在庫は、破産管財人の所有物になってしまい、各レーベルとしては他のルートで再度商品を流通させる事すら不可能な状態に陥ってしまっていた。

3MVは、 KandiやTidy Traxといったハウス系のレーベルに対しても約50万ポンド(日本円にして約1億円)の未払い債務を抱えていたとも言われ、その今後の余波が懸念されるところではあるが、本当の意味での犠牲者は、今回連鎖的に倒産をする事になってしまったMarine ParadeとReactであろう。かたやAdam Freelandの運営するブレイクスの最重要レーベルであるMarine Parade、かたやイギリスの名門中の名門レーベルであるReact - 本来であれば全く健全な形で運営されているはずのこの二つのレーベルが倒産してしまった事は、いかに3MVの倒産による余波が大きかったかを物語っており、イギリスのシーン全体に大きな衝撃が走っている。

多くの業界関係者は、インターネットによるミュージック・ダウンロードが、コストの高い伝統的なディストリビューションというものを葬り去った、と分析しているようだが、今回のケースは、i-tune UKがスタートしてほんの直後に起こった事だけに、単にそれだけが理由と言うわけでもなさそうだ。ただ、いずれにしても、今後もこういった減速傾向が音楽業界の様々なエリアにおいて見られていくことは間違いなく、それはダンスミュージックもれ外ではない事を今回の事件は物語っていると言えるだろう。

Marine Paradeのホームページ上では、「現在行っているストラクチャー変更のため、リリーススケジュールは見直し中であるが、必ず戻ってくるので心配しないで欲しい」といった趣旨のコメントが掲載されている。再起を期待したい!

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